友人の奥さんが松浦武四郎の親戚だとかで、前々から何度もこのドラマを見てほしいと言われていたので、大いに期待してみたが、劇的感興に欠けた。そもそも、タイトルにある「永遠のニシパ」は何が「永遠」なのかわからん。アイヌの娘との恋愛物語かと思えば、そうでもなく、後半部分は明治政府で冷遇された話のようでもあり、一体、何を最も描きたかったのか、北海道の命名だけが取り柄か。

 

松浦武四郎(松本潤)は北の蝦夷地を案内人のアイヌを連れてくまなく歩く。歩きながら風土や人たちの佇まいや、アイヌ言葉の地名や音曲などを細かく記録してゆく。豪商や役人たちに虐げられているアイヌの男たちを救おうとして上申するが上手くゆかない。男たちが労働に駆り出された後のアイヌ部落(コタン)は女子供だけで、リセ(深田恭子)は夫を亡くし子供を独りで育てている。

 

1日に山道を60キロも踏破する健脚だった松浦の、北海道にかけた情熱が今一つ伝わらなかったのは、前半部分のリセとのやり取りと、後半部分の役人としての仕事ぶりとが、並列で描かれ、武四郎の北海道への無償の愛のような情熱が伝わらなかったからである。のっぺり白い松本潤が、未開地の探検家らしくなかったのも理由だ。

 

徹底して蝦夷地を調べて回る、命がけ武四郎の内陸調査の苦労のディテールを終始一貫リアルに描いた方が感動したのではないか。(放送2019年7月15日19時半〜)

(黄蘭)