7月4日、秋葉原駅前で演説したれいわの候補者たち

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◆メディアを賑わせるれいわ新選組

 山本太郎氏が代表を務める政治団体「れいわ新選組」(以下、れいわ)に対する人々の関心が、日に日に高まっている。Twitterを中心にSNSでの情報拡散が増えているばかりか、多くの報道機関がれいわの立候補者たちについて記事を発表し始めている。

 東洋経済オンラインでは、政治ジャーナリストの泉宏さんが「各政党を怯えさせていることも事実」と書いている。J-CASTニュースは政治学者の木下ちがやさんの言葉として「(山本太郎氏は)普段投票に行かないような層に発信力を持っている」と紹介。

 zakzakは7月4日付で山本代表のインタビューを載せ、Yahoo!ニュース個人では7月4日付で政治ジャーナリストの安積明子さんがれいわの候補者の当確分析を書いている。週刊実話は、「山本新党のうねりが全国に波及すると自民党へのダメージは計り知れない」という自民党関係者のコメントを載せた。

 他にも、スポーツ報知や東京新聞、週刊プレイボーイなどがれいわについて取り上げている。

 新聞やテレビでの報道はまだ増えているとは言えないが、それ以外のメディアは、れいわ新選組の人気を見逃さない。

 なぜ、れいわだけが、これほど熱い注目を集めているのか?

 れいわから立候補した全員が、他人事として社会的課題を語るのではなく、あくまでも「今も苦しんでいる当事者」として自分が切実にほしい政策を訴えているからだ。

◆難病ALSの当事者・ふなごやすひこ氏
 れいわは、特定枠の1位に全身の筋力が低下する難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)のふなごやすひこ氏を、2位に重度身体障害者の木村英子氏を擁立した。特定枠とは、比例区で個人の得票と関係なく優先的に当選できる枠のこと。山本氏の当選順位は3番目以降。3議席を得るには、約350万票が必要になる。

 ふなご氏はALSを41歳の時に発症し、現在は自力でほとんど体を動かせず、車いすに寝たきりのまま。「健常者なら1秒ですむパソコン作業が私には1分かかる」が、歯で噛むセンサーでパソコンを操作して詩歌や童話などを創作したり、障がい者のために開発された意思伝達装置「伝の心」を使って講演したりしてきた。

 それだけでなく、看護・介護サービス事業のアース取締役副社長としてサービス付高齢者向け住宅の経営監視を担い、「全身麻痺ギタリスト」としてライブ活動もやってきた。

 出馬にあたり、ふなご氏は記者会見でこう訴えた。

「障がい者だから、気づけるものがある。私が目指していたのが、障がい者も健常者もない世界。議員たちが私と議会で上手に接していくことや、同じように発言するための工夫をする姿を人々が見れば、障がい者への接し方も変化が生じる」

◆障がい者の自立支援をしてきた木村英子氏

 一方、木村英子氏は、生後8カ月で脳性まひを患い、両足や左手がほとんど動かせず、車椅子生活だが、喋ることならできる。そこで、仲間と共に障がい者運動に携わり、35年間も地域で生活したいと望む障がい者の自立支援を続け、7月4日には秋葉原駅前での街頭演説にも参加した。

 出馬会見で、彼女はこう言った。

「私は施設と養護学校で18歳まで過ごしました。けれど、施設でずっと死ぬまで生きるのは耐えられないので、19歳で自立しました。同い年の健常者の友達ができたのは、地域に出てきてからです。私の仲間たちはみんな今、施設にいます。ヘルパー制度も通勤・通学は認められてませんから、あくまでも家の中の介護。通勤・通学が認められないってことは社会参加ができないじゃないですか。そんな政策は明らかな人権侵害であり、あからさまな差別です」

 ふなご氏や木村氏が当選すると、国会はただちにバリアフリーの法改正をせざるを得なくなる。重度障がい者が議員になる以上、水を飲むこともトイレも介護者が必要で、記名投票や議場での移動も難しく、議席に座ろうにも車いすでは無理というバリアを取り除く必要が出てくるからだ。