はやぶさ2が小惑星リュウグウへ2度目のタッチダウン成功し、正常に上昇を開始。サンプル採取成功に期待

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JAXAの小惑星探査機はやぶさ2が、小惑星リュウグウへの2度目のタッチダウンに成功しました。人工クレーターから露出した地中物質のサンプル採取成功が期待されます。

日本時間10時24分ごろには、リュウグウへの降下から上昇に転じたはやぶさ2の速度が明らかな成功を示し、10時42分ごろにはアンテナを地球にむけてテレメトリー正常なテレメトリー受信を確認。そして10時52分、すべてのチェック項目で成功が確認されました。
2014年11月に打ち上げられたはやぶさ2は、およそ1年前の6月に、地球から3億kmほど離れた小惑星「リュウグウ」に到着しました。その後9月に、搭載していたローバーMINERVA II-1を投下しリュウグウ表面の調査を実施、今年4月にははやぶさ2自身による初のタッチダウンが行われ、これも成功させていました。

はやぶさ2は4月のタッチダウン後、リュウグウ地表に金属弾を衝突させ、10m台のクレーターを作るのに成功しており、今回の着陸ではこのクレーターから噴出した地中の物質をサンプル採取します。前回は着陸可能地点が非常に狭く、かなり難しい態勢での着陸を見事に成功させていましたが、今回はすんなりいくのかと思いきや、やはり着陸予定の場所は半径3.5mほどしかなく、はやぶさ2の機体サイズギリギリ。JAXAは難易度は変わらないとしていました。



JAXAは最初のタッチダウンに続いて今回もYouTubeライブで管制の様子を解説付きで中継しており、10時52分にはやぶさ2が上昇に転じたとき、そして最終確認がなされたときには官制室が大きな拍手と笑顔につつまれました。

はやぶさ2は、今回もリュウグウへのタッチダウンを見事に成功させたと思われますが、まだサンプルがきちんと採取されたかの確認はこれから。さらに今後は、MINERVA II-2ローバーを投下しての探査を行います。そして、採取したサンプルを地球へ持ち帰るという重要な任務がまだ残っています。はやぶさ2が帰途に就くのは今年の年末頃、そして地球への帰還は2020年末になる予定です。

ちなみに、初回のタッチダウンに際しては英ロックバンド・クイーンのギタリストで天体物理学者でもあるブライアン・メイがお祝いメッセージを送っていました。そして、今回のタッチダウンに際しても、メイ博士は北米ライブツアーの初日となるカナダ・バンクーバーのステージ上から、メッセージ動画を送り届けていました。


この記事はEngadget 日本版からの転載です。