米アマゾン・ドットコムが家庭用ロボットの開発を加速させていると、米ブルームバーグが7月12日に報じた。

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ロボットは大人の腰ほどの高さ

 シリコンバレーにあるハードウエア研究開発施設「Lab126」で、大人の腰ほどの高さの試作機を製作しているという。複数のカメラを備えるほか、画像認識システムを搭載しており、車輪を使って家の中を移動するロボットだという。

 同社が家庭用ロボットを開発しているという報道は2018年4月ごろからあった。その開発プロジェクト名は「ベスタ(ローマ神話に登場する家庭や家族の女神)」。アップルの元幹部であるマックス・ペイリー氏がロボットに搭載されるコンピューター・ビジョン技術の責任者を務めているほか、ロボット工学業界から機械工学の専門家を複数雇い入れていると、ブルームバーグなどが報じていた。

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移動するアレクサ

 ロボットの詳細については依然、分かっていない。しかし、事情に詳しい関係者はアマゾンのAIアシスタントサービス「アレクサ(Alexa)」が移動するようなロボットだと推測している。呼びかけに反応し、利用者がいる場所にやって来たり、後に着いてきたりすることが可能という。このため、AIスピーカーのない部屋でもアレクサを利用できると関係者は話している。

 今回の報道によると、アマゾンは年内(2019年)の製品発表を目指していた。しかし、量産体制が整わないという理由から発表は2020年以降にずれ込む見通し。この先、アマゾンが計画を中断する場合も考えられるが、最近は他の部門からエンジニアを集めてロボット開発事業に取り組ませていることから、近い将来のどこかの時点で製品が市場投入される可能性があるという。

高音質AIスピーカーを開発中

 一方でブルームバーグは、アマゾンが音質を高めたAIスピーカー「エコー(Echo)」を来年(2020年)発売する計画だとも伝えている。

 試作機の本体は従来と同じ円筒型だが、4基以上のツイーター(高音域用スピーカー)を内蔵するため、横幅が広くなっているという。

 市場調査会社のeマーケターによると、米国のAIスピーカー市場でエコーのシェアは今年63%となり、最大シェアを占める見通し。しかし、米ソノスの「Sonos One」や米アップルの「HomePod」、米グーグルの「Google Home Max」といった高音質製品の分野では競合の後塵を拝している。

 アマゾンはこれまでに、エコーと接続して音質を高めるサブウーハーや手持ちのステレオスピーカーに接続して高音質で音楽を楽しめる機器などを発売しているが、開発中とされる新モデルは単体で高音質を実現するものになるとのことだ。

 さらに、アマゾンはイヤホン型のウエアラブル機器や声を分析して感情を読み取る健康関連のウエアラブル機器を開発中だとも伝えられている。同社はこうして数多くのハードウエア製品を市場投入したり、サービスを拡充したりすることで、顧客の囲い込みを図っているとブルームバーグは伝えている。

 (参考・関連記事)「アマゾン、利用者の感情読み取るウエアラブル開発中」

筆者:小久保 重信