新開発のシステムでデザインしたモアレ
© Toppan Printing Co., Ltd.

凸版印刷株式会社は、印刷物のモアレで任意の絵柄を表現できるようにするシステムを開発。このシステムを活用したサンプルの提供が開始されている。モアレとは、規則正しく並んだ点や線を複数重ねた時に、意図せずとも視覚的に発生してしまう縞模様のこと。同社ではモアレを軽減させる技術の研究を進めており、今回のシステムではこれまで不必要なものであったモアレを、あえて積極的に活用するユニークなものとなっている。

今回開発されたシステムは、画像を異なるピッチや位相を持つ2枚のパターンに分解する仕組みだ。これを活用することで、画像の立体感や動き、色の濃淡をモアレで表現することが可能となる。分解した画像をそれぞれ印刷し、透明な板を挟んだり、距離を置いて設置したり、隙間を空けたりすることで、モアレを狙ったデザインに発生。レンチキュラーなどの特別な形のレンズシートも必要とせず、2枚のシートに印刷して貼り合わせるだけで実現できる。

モアレを活用したデザインは、インパクトがあって注目を集めるため、警告表示や店頭装飾、看板など、特にPOPとしての活用が見込まれる。同社では、このシステムによるモアレデザインのフルカラー化や見やすさの向上、画像をモアレパターンに分解する処理の高速化などのブラッシュアップを進めていく予定。2019年10月までに試験導入を目指している。


新開発のシステムを活用したモアレ製作の流れ
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凸版印刷株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
2019/07/17