森山監督が率いるU-17日本代表。W杯本番まで残り3か月、選手個々がいかに過ごすかが大事だ。写真:平野貴也

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 強敵揃いのワールドカップに向け、修練の日が続く。
 
「第23回国際ユースサッカーin新潟」に参加したU-17日本代表は、通算成績2勝1敗の2位で大会を終えた。第1戦は、U-17メキシコ代表に1-2で逆転負け。第2戦でU-17ボスニア・ヘルツェゴビナ代表を3-0で破り、第3戦でU-17新潟県選抜を1-0で下して連勝を飾ったが、3連勝で優勝したメキシコには及ばなかった。
 
 それでも、多くの経験を積めたことは収穫だ。初戦では、瞬時の隙が敗戦につながることを学び、第2戦では前に出て来ない相手を攻略する力の無さ、決定力不足が課題として浮き彫りになり、最終日にはVARによりゴールが認められなかったという貴重な経験も得られた。
 
 チームの最終目標は「FIFA U-17ワールドカップブラジル2019」(10月15日〜11月19日)。チームを率いる森山佳郎監督は「選手それぞれに課題はある。あと3か月しかないのか、まだ(3か月も)あるのかは、1日1分を大事にすればあるし、ボーっと過ごしていたらなにもない3か月になってしまう」と語る。大会の経験を3か月後の本大会につなげる努力を、選手それぞれが所属チームで取り組むことに期待をかけた。
 
 チームとしては、初戦のメキシコ戦でミスから失点したことは反省材料となるが、守備面では一定の力を示した。センターバックと右サイドバックでプレーしたDF半田陸(モンテディオ山形ユース)は「守備は、自分や鈴木海音(ジュビロ磐田U-18)を中心に、攻撃時にラインを押し上げられた。カウンターの起点を作らせないようにするリスク管理は、いままでの遠征より成長した部分」と手応えを話した。
 
 3試合で喫したのは、初戦の2失点のみ。森山監督も「サイドチェンジやロングボールの対策は必要だけど、守備は、プレスのスタート位置を変えるなどすれば、そこそこやれると思う」と一定の評価を与えた。

 
 一方、攻撃面は、向上の必要性を痛感させられた。
 
 湘南ベルマーレに加入内定のFW若月大和(桐生一高)やU-16アジア選手権MVPのFW西川潤(桐光学園高)が不在だった影響はあるだろうが、ゲームメイク、決定力ともに課題が出た。森山監督は「ワールドカップでは、相手にめちゃくちゃ速い選手がいる。攻撃でボールを握って(相手を)走らせて、推進力を(削いで)なんとかしないといけない」と、ポゼッションをしながら攻める必要性を強調した。守備に手応えがあるとはいえ、防戦一方になれば、対抗し切れなくなる可能性も高い。攻撃で停滞を生み出さないことと、決定力の改善は、今後のテーマとなる。
 
 サイドMFやシャドーストライカーで起用されたMF成岡輝瑠(清水エスパルスユース)は、
 
「この遠征での目標は、自分たちの時間を増やして、ボールを動かして、泥臭く勝つということ。練習からワンタッチ制限のゲームや(積極的にパス交換するための)周りの関わりをやってきたけど、いざ試合になってみると、関わりが遠く(パスを出せずに)ボールを持ってしまう選手や時間を使ってしまう選手がいた。もっとワンタッチ、ツータッチでテンポよく回していければ、自分たちの時間も増える。全体が流動的にできるようになることが課題かなと思う。個人としても、ゴール前で仕事ができる選手じゃないと、生き残っていけない」
 
 と、課題を感じ取っていた。
 
 指揮官が話したとおり、残り3か月を選手がどう過ごすかが今後はもっとも重要になる。森山監督には、ひとつの危惧がある。強敵との対戦経験が少ないことだ。
 
「アジア最終予選から、ほとんど強い相手とやれていなくて、課題があまり出て来ない状況。5月にアルゼンチンに行ったけど、相手は(主力ではない候補選手が多い)ラージグループだった。ガツンとやられる経験が少ないまま、今大会は初戦のメキシコ戦で課題が出て、(隙を見せたり、好機を逃したりすると)こういう痛い目にあうという共通理解はできたと思う」(森山監督)