「ブルーインパルス」による曲技飛行。6機編成が基本だが、すべて揃う日がいつになるかは未定のままだ

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エンジン不具合のため、イベントが4件連続で中止に

「ブルーインパルス」による曲技飛行。6機編成が基本だが、すべて揃う日がいつになるかは未定のままだ

 航空自衛隊が誇る名物アクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が飛べなくなっている。

 今年4月19日、航空自衛隊は〈T‐4中等練習機のエンジンに不具合が発生〉と報道発表。以来、同機によって編成されている「ブルーインパルス」のイベントが、4件連続で中止となったのだ。

「4連続での中止は前代未聞です。T‐4中等練習機は全国に約200機配備されていますが、総点検することが決まっている。点検は1ヵ月に4機程度が限界ですから、すべての機体の安全を確認するには4年近くかかってしまうかもしれません」(航空自衛隊中堅パイロット)

 イベントキャンセルの直接的な原因は〈エンジンの不具合〉なのだから、不具合を起こした1機だけをチェックすれば済むはずだ。なぜ、200機すべてを総点検しなければならないのか。エンジン部品を製造している総合重工業メーカー「IHI」のベテラン社員が言う。

「不具合の大きな要因は、航空自衛隊が3年ほど前から実施している『燃料切り替え』にある可能性が否定できません。T‐4中等練習機は『JP‐4』という燃料を使っており、IHIもこの燃料を使う想定でエンジンを設計していた。しかし、航空自衛隊が急に、『JetA‐1』という燃料に切り替えたんです。エンジンと燃料は密接に関係している。ハイオクガソリンを使うべきクルマにレギュラーを急に入れたら、故障が起きやすくなるのと同じです」

 燃料を切り替えた理由について、広報室報道班の山本晋司三佐はこう回答した。

「不具合はエンジン内部の振動が原因で発生したもので、燃料の切り替えに起因するものではないという認識です。燃料を替えた理由としては、『JetA‐1』が民間航空機などで広く利用されているため、取得が容易だからです」

 つまり、燃料切り替えについて深い理由はない、というわけだ。だが、「JetA‐1」は米空軍で使用されている燃料であることから、背景にアメリカの"ごり押し"があると見る向きもある。ジャーナリストの青木理氏が語る。

「4月9日に発生したF35Aの墜落の原因は未だ明らかになっていません。それでも安倍政権はアメリカから超高額なF35の大量購入を見直そうとしない。今回明らかになった燃料の分野でも、"アメリカ・ファースト"が進行しているおそれはあるでしょう」

 7月21日のイベントで「ブルーインパルス」の飛行再開は予定されているが、6機編成のうち飛べるのはわずか1機か2機。不具合の本当の原因を見直さない限り、完全復活する日は遠そうだ。

全国に約200機配備されているT‐4中等練習機にエンジントラブルが発覚。「ブルーインパルス」も同型機で編成されている

基地内を走る新燃料の輸送車。’16年頃から新燃料は導入され、現在も切り替え作業が続いている

PHOTO:佐藤 明