31日、ライブドア事件について「一言で言えば、誠に残念だ」と話す政治コメンテーターの田原総一朗氏(撮影:吉川忠行)

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政治コメンテーターの田原総一朗氏と日本経済新聞コラムニストの田勢康弘氏が31日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で「ライブドア事件の政治的インパクト」をテーマに講演し、記者からの質問に答えた。証券取引法違反容疑でライブドア前社長の堀江貴文容疑者が逮捕されたことについて、田原氏は「一言で言えば、誠に残念だと思う」、田勢氏は「はっきりしているのは、何もはっきりしていないということ」と述べた。

 田原氏は、少し前まで堀江容疑者を絶賛していたテレビのコメンテーターが、急に道徳家になり非難を始めたと指摘。日本の旧体制を変えるために妥協をしない“異端者”として、堀江容疑者は若者やマスコミから支持されたし、自民党や経団連が堀江容疑者を受け入れたのも、密室談合的な古い体質から脱皮しようとしたと受け止めていると話した。

 田勢氏は東京地検の強制捜査について「時の政権にこれほど都合の悪い事件にもかかわらず、首相官邸が直前まで知らなかったことは、すばらしいことだと思う」と話した。新聞やテレビでの報道については「“関係者の話によると”という報道が連日のようにされているが、関係者とは一体誰のことなのだろう」と語った。

 また、「当事者は東京拘置所におり、反論する場がない。知らず知らずにマスメディアを通じて事件が出来上がってしまう」と述べ、最高裁まで裁判が進む長い年月のうちに、ライブドア社や堀江容疑者のしたことは犯罪だとほとんどの日本人が信じるに至るだろうとの認識を示した。田勢氏は「“関係者”なるものから情報が出て、株価が下がることこそ(容疑の1つとされる)風説の流布ではないかと、マスコミの人間として忸怩(じくじ)たる思いがある」とも語った。

 堀江容疑者に同情的過ぎる、とんでもない犯罪を犯したかもしれないとの記者からの指摘に対し、田原氏は「検察が逮捕したから即ち犯罪だというのは大間違い。検察は逮捕する前に地図を描き、そこに色を塗っていく。描いた地図が間違っていた場合は、事実の方を歪める。ロッキード事件、リクルート事件もそうだ」と話した。田勢氏は「堀江容疑者をかばうつもりはない。全然明らかになっていない段階で言っても始まらない。本当は、裁判の場でのやりとりを仔細に報道すべきだ。しかし、最終的に有罪になるにしろ、無罪になるにしろ、この数カ月のうちに彼らは社会的バッシングを受け、ライブドアは潰れるだろう。22万人が持つ株券はあっというまに紙くずになってしまう」と応じた。

 自民党が先の衆議院選挙で堀江容疑者を支援したことについて、田原氏は「責任を取るべき。幹事長は辞任すべき」と話した。【了】

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