アキナ(秋山・山名)

写真拡大

■ 子どもとの共演が嬉しそうな母と、芸人の顔とは違う、若手の素の表情がいい

『関西ウォーカーWEB』にてアーカイブをチェック!

アキナ(秋山・山名)の2人が最近特にいい。折に触れて、これからのテレビのキーワードは「過激な演出」や「限界トーク」ではなく、「やさしさ」や「仲の良さ」、「温かさ」を醸し出すことだと語っている。そうしたキーワードに、アキナのキャラクターは十二分にフィットする。今年のバレンタインデーに、秋山が朝日放送(ABC)テレビの塚本麻里衣アナウンサーとの結婚を発表したことも、アキナファンを増やす大いなる追い風となった。お似合いの2人の幸せなそうな様子に、関西芸能界は大いに沸いた。

 そんなアキナがメインで出演しているのが、「名門!モウカリマッカー学園〜西梅田新聞部〜」(テレビ大阪)だ。番組は、よしもと西梅田劇場で公開収録されている新喜劇風のコントと、ロケによるコーナーから成り立っている。

 私が大いにハマっているのが、「オカンの芸人育て飯」というコーナーだ。毎回ひとりの若手芸人の実家をアキナが訪問する。恥ずかしがる若手を横目に、子どもの頃のとっておきのエピソードをお母さんから聞き出しつつ、パワーの源となった『おふくろの味』をみんなで美味しくいただくという、ほのぼの企画だ。

 普段舞台やテレビで見せる、芸人としての顔とはひと味もふた味も違った若手の素の表情に出会えるのが楽しい。アキナのほどよいツッコミが効果的にトークを盛り上げる。バツの悪そうな芸人たちに対して、お母さんたちは、子どもとの共演がどことなく嬉しそうに映る。

 先月末、よしもと西梅田劇場が8月25日をもって閉館されることが発表された。土地を所有する日本郵便との契約が満了となったためだそうだ。前半のコントが、これからどのように展開、リニューアルされていくのか少し気がかりではあるが、アキナパワーで見事に乗り切ってくれると信じている。

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」(実業之日本社)、「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。(関西ウォーカー・関西ウォーカー)