岐阜聖徳学園vs岐阜高専

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序盤に得点した岐阜聖徳が後半苦しみながらもよく凌いで3回戦進出

 前日来の雨で、日程がずれ込んでいる岐阜大会。前日の第3試合に予定されていた試合が、この日の第1試合となった。梅雨明けしていない東海地方は、各大会で日程調整に追われているようだが、岐阜大会も例外ではなかった。

 それでも、この日はすっかり雨も上がり、晴れ間も出てくる好天気だった。

 かつて、岐阜南時代に2度(1968年、81年)夏の甲子園出場を果たしている岐阜聖徳学園。その歴史を復活させたいと、今年の夏69人の部員が挑む。

 ほぼ1年間ケガに泣いてきたエースの野々垣君が、この日はそんな悔しい思いをぶつけていくかのように、立ち上がりから力投していった。そして、野々垣君を助けるべき打線も序盤から奮闘。初回は原田君、横井君の連打に道願君のバントも安打となり満塁で、4番坪井君が中犠飛を放ち先制。2回も二死二三塁から、原田君が左前タイムリー打。さらに横井君が左翼席へ特大の2ランを放ってこの回4点。

 こうして岐阜聖徳学園が主導権を握った形で試合は進んだ。

 中盤、岐阜高専も野々垣君を捉え始めて、5回は無死で6番桑原君、途中からリリーフして7番に入っていた竹中仁哉君の連打で無死一二塁。6回も3番小倉君の左前打と細野君の遊内野安打で無死一二塁。5回は得点を逃したものの、6回は二死となってから竹中君が左前打して1点を返した。

 そして、岐阜高専は2番手としてリリーフのマウンドに立っていた竹中君が、ストレートを中心にぐいぐい通していく投球で、岐阜聖徳打線を封じていた。

 また、岐阜聖徳の林範和監督も、7回から野々垣君に代って、左腕の稲葉君を送り出した。岐阜高専白木英二監督は、8回からは3人目左腕の日比野君を送り出した。細かい継投で、何とか岐阜聖徳学園打線をかわしていきたいというところであろう。

 後半は試合の流れは、完全に岐阜高専に傾いていたが、岐阜聖徳学園は最後まで粘って守り抜いたというところであろう。林監督も、「試合としては、6点目が取れていたら、もっと楽に戦えたかなとは思うんですけれども…。ただ、ウチはチャレンジャーなので、こうして守って凌いでいきながら、一つずつ上がっていきながら、どこかで(4強の一角を倒す)チャンスを得たいなと思っています」と、スコア以上に苦しい戦いとなりながらも、勝ち上がれたことを喜んでいた。

 実はこの両校、昨秋は2度対戦している。岐阜地区予選と秋季県大会後に開催される準公式戦の県下選抜大会決勝だが、秋季一次予選では6対2、県下選抜大会では12対2といずれも岐阜聖徳学園が勝利している。それだけに、岐阜高専としては、夏の本番で雪辱を果たしたいところではあっただろうが、3度目の正直はならなかった。それでも竹中君、日比野君はそれぞれ自分の持ち味を出して起用に応えて好投したと言っていいであろう。

(レポート=手束 仁)