課題を語った町田MF森村昂太(29番)

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[7.14 J2第22節 町田0-2福岡 町田]

 課題はリーグ後半戦に持ち越された。FC町田ゼルビアはボールを保持して福岡を押し込んだものの、引いた相手に対してシュート数で下回り、終わってみれば0-2の完封負け。MF森村昂太は「見ている人たちも歯がゆい展開になってしまった」と反省を口にした。

 昨季に過去最高の4位でシーズンを終え、本格的にJ1昇格を見据えて臨んだ今季の町田。サイバーエージェントが経営権を取得し、今月1日にはJ1ライセンスの申請を行ったことも発表したが、リーグ前半戦は勝ち点25(6勝7分8敗)の16位に沈んだ。

 ハード面の強化とともに今季からチャレンジしているボールをつなぐ攻撃は、まだ満足の行く完成度には仕上がっていない。リーグ後半戦のスタートとなった今節も多くの時間を敵陣で過ごしたが、最後の崩しの部分でアイディアや精度を欠いた。

「相手が引いてボールを持つ時間が長いような展開が多くて、バイタルエリアに入っていくまでは相手のプレッシャーもなかった。そこから先のプレーで、個人個人で考えているところのギャップがあったりして、なかなかうまく行かなかったという思いもある」

 森村が語る「相手が引いた状態でも背後に出ていって、そこから無理矢理でもねじ込んで、セカンドボールを回収して相手が嫌がることをやっていく」プレーは、町田の特徴の1つでもあった。しかし、攻撃の選択肢が増えることで「そういう共通認識がなかなか持ちづらいような展開になってしまった」。

 ホームでは3月30日のJ2第6節・愛媛戦(1-0)を最後に勝利から遠ざかっている。「選手間でもっと喋りながらというか、曖昧な部分をそのまま曖昧にしちゃダメというか、もっと要求し合ってやらないと、またこういう試合をしてもおかしくない。今日出た課題を次にどう生かしていくかは自分たち次第だと思う」。J1参入プレーオフ圏内の6位甲府との勝ち点差は11。自分たちの課題に向き合いながら、上位の背中を追いかける。

(取材・文 阿部哲也)