幹部とたばこを吸う北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長、左端)=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)《転載・転用禁止》

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【ソウル聯合ニュース】高級自動車など北朝鮮への輸出が禁じられているぜいたく品が日本から不法に輸出されたことが分かった。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルが2010年から今年まで安保理に提出した報告書10件を、聯合ニュースが14日までに分析した。それによると、高級自動車のほか、化粧品、たばこ、ピアノなど、北朝鮮の首脳部と高官らが愛用するぜいたく品が日本から北朝鮮に入っており、日本の輸出管理体制の不備が明らかになった。

 国連安全保障理事会は2006年10月の北朝鮮による初の核実験を受け、これらのぜいたく品を北朝鮮に輸出することを禁じている。原産地を問わず、北朝鮮への提供・販売・移転が禁じられている。

 日本から北朝鮮へのぜいたく品輸出は2008〜09年に多かった。ベンツやレクサスなど高級自動車18台、たばこ1万本、日本酒12本、大量の化粧品、中古ピアノ93台などだった。

 2010年2、4月には化粧品など2億4400万円相当のぜいたく品が大阪から中国・大連を経て北朝鮮に不法輸出された。

 2008〜09年にはノートパソコンなどパソコン7196台が日本から北朝鮮に渡った。

 これらの事例は日本当局が専門家パネルに報告したもので、当局が把握できていない不法輸出もあるとみられる。

 日本は制裁が本格化する前まで北朝鮮との経済交流が活発だったほか、在日本朝鮮人総連合会などの団体があるため、輸出が容易だったと分析される。

 韓国の北韓大学院大の梁文秀(ヤン・ムンス)教授は「日本は地理的に近く、先進国であるため、北にとって必要な物が多い。日朝の交流協力が活発だっため、制裁以降に交流が完全に中断したとみるのは難しい」と話した。