厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第8回:リリレフア

 6月23日に行なわれたGI宝塚記念(阪神・芝2200m)。強豪古馬12頭が集った春のグランプリレースは、紅一点で臨んだリスグラシュー(牝5歳/父ハーツクライ)が優勝。並みいる牡馬たちを蹴散らして、2度目のGIタイトルを手にした。

 そんなリスグラシューの妹が、デビューを控えた2歳馬の中にいる。栗東トレセンの矢作芳人厩舎に所属するリリレフア(牝2歳/父ロードカナロア)である。


姉と同じく、GI戦線での活躍が期待されるリリレフア

 同馬の話に入る前に、あらためてリスグラシューの足跡を振り返ってみると、彼女は2歳時に早くも重賞を制覇。2歳女王決定戦となるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)でも2着と奮闘した。

 3歳になってからも、牝馬三冠レースで活躍。GI桜花賞(阪神・芝1600m)で2着、GIオークス(東京・芝2400m)で5着、GI秋華賞(京都・芝2000m)で2着と、常に上位争いを演じてきた。さらに、古馬となってからも、4歳春のGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)で2着と好走し、トップレベルで常に存在感を示してきた。

 だが一方で、GI勝利にはあと一歩足りない――そうした印象も色濃くなっていた。

 そんな彼女が変身したのは、昨秋だ。GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)に臨むと、「マジックマン」の異名をとるジョアン・モレイラ騎手に導かれて、中団待機から直線で末脚が爆発。他馬が伸びあぐねるなか、1頭だけ33秒台の上がりを繰り出して、悲願のGIタイトルを奪取した。

 その後も、国内外の重賞、GIレースで健闘。世界レベルでも戦える実力を示すと、その勢いのまま、冒頭で記したとおり、宝塚記念を制した。同レースでは、ダミアン・レーン騎手とのコンビで積極的な競馬を披露。直線に入ると、1頭完全に抜け出して、2着以下に3馬身差をつける完勝劇を演じた。

 充実期を迎えて、さらなる活躍が見込まれるリスグラシュー。これまで以上に注目を浴びることになり、その分、妹リリレフアへの注目度も増している。

 同馬の育成を行なってきたノーザンファーム早来の野崎孝仁氏は、この春の取材で同馬についてこう語っている。

「リリレフアは、姉の同時期に比べると、体はしっかりできていますね。育成をするなかで、だいぶ成長してきました。育成では無理をさせすぎずに、いいペースで調整ができたと思います」

 馬体面以外の部分についても、野崎氏は姉と比較しながらこんな評価を口にしていた。

「距離適性については、リスグラシューより少し短めの距離が得意そうなイメージ。今の雰囲気だと、マイルあたりがいいのではないでしょうか。フットワークが軽やかな一方で、力もしっかりありそうですね」 リリレフアはすでに入厩し、ゲート試験を含め、デビューへと少しずつ歩を進めている。波に乗る姉と同様、初陣から鮮やかなレースを見せてくれることを期待したい。