街路樹の枝1本がトラックの大きな障害になることもある

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◆トラックは一般道の左車線を走りたがらない!?

「トラックドライバーが一般ドライバーに知っておいてほしい“トラックの裏事情”」をテーマに紹介している本シリーズでは、これまでに「トラックがノロノロ運転をする理由」や「路上駐車せざるを得ない理由」など、様々なトラックの事情を紹介してきたが、今回は「トラックが一般道の左車線を走りたがらない理由」を紹介したいと思う。(※高速道路の追い越し車線走行については、本シリーズの各所で触れているので、ご興味ある方はご一読いただきたい)

◆一般道でも道交法上は左車線通行が原則

 高速道路の中央分離帯寄りの車線(最右車線)は「追い越し車線」であり、同車線を走り続ければ「通行帯違反」になることは、運転免許取得者であれば誰もが知っている交通ルールだ。

 しかし、このルールが高速道路だけではなく、一般道でも適応されていることを知るドライバーは、実はそれほど多くない。

 道路交通法第20条には、

「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」(1項)

「ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となっているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる」(1項)

「(略)追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない」(3項)

とある。

 つまり、全ての車両は、高速道路だけでなく一般道でも、原則的に2車線の場合は左車線を、3車線の場合は最左車線か中央車線を走らねばならず、最右車線は、追い越しをする時や、緊急車両に道を譲る時、工事や事故などの道路状況でやむを得ない時にしか走ることが許されていないのだ。

 それゆえ、一般道でも右車線をひたすら走り続けることは、原則的には交通違反なのである。

 しかし、一般道には、高速道路とは違い、右折のために右車線に寄っていなければならないことも当然あるため、現状、厳しい取り締まりは行われていない。

 実際、同件に関して職務中の白バイ隊員に確認したところ、やはり「原則的には車両の種類に関わらず、全ての車両は最左車線を走らなければならないが、我々も積極的には取り締まっていない」とのことだった。

 つまり道路上では、高速道路、一般道に関わらず、遅いクルマは原則「左」。そんな中、この「遅いクルマ」の筆頭として挙げられるのが、トラックだ。

◆最左車線では沿道から伸びる街路樹や標識が「障害」に

 今回、SNSや休憩中のトラックドライバーたちに「一般道の最左車線を走るトラックの事情」について話を聞いたところ、意見のほとんどが「最左車線の走行は避けたい」「走れない」とするものだった。
その理由を紹介しよう。

1.右折したい

 他でもない。トラックだって右折することはある。しいて言えば、トラックはその車体の長さゆえに身軽に車線変更できず、移れる時に移ろうと、早い段階から右車線に入って走り続けることがある。
ちなみに、右折レーンで信号待ちしているトラックの中には、隣車線を走るクルマとの接触を避けるために、左サイドミラーを畳んでいるドライバーも少なくない。

2.左折車の存在

 一般道の最左車線を走ると、左折したい前方のクルマが歩行者の横断を待つたびに詰まり、その都度ブレーキを踏まねばならない。
こうしたクルマの詰まりによるストレスは、無論一般車にも生じるのだが、これまで本シリーズでも解説してきた通り、トラックは頻繁にブレーキを踏むことで、シフトチェンジや速度回復時間だけでなく、クルマへの負担なども生じるため、乗用車以上に最左車線が走行しづらいのだ。