昨年秋、日本橋に誕生した「KRD Nihombashi」は、これからの「人生100年時代」に合わせ、健診を「リデザイン」した施設。通常の健康診断や人間ドックよりも、さらに細かな項目を調べることができます。

自分の体を知ることの重要性について、院長の田中岳史ドクターにお聞きしました。

いま一番重要なのは、一次予防

日本橋にあるKRD Nihombashi。健診は2階で、1階はセミナーなどを開催。

医療には一次予防、二次予防、三次予防というものがあるのをご存知でしょうか? 人生100年時代に向けて、予防医学への向き合い方がかなり重要になってきているといいます。

一次予防とは、未病の段階から健康を意識すること知識を持ち、予防のために自ら実行することです。

二次予防とは病院での早期発見、早期治療。

三次予防は、治療後の社会復帰のためのリハビリなどを指します。

今までは、二次予防が予防医学の分野で最も重視されていました。しかし、お気づきかもしれませんが、この段階でもう病気になっていますよね。

未病を目指すためには、一次予防が最も重要なのです。

KRD Nihombashiは、健康な体にする・体を整える場所。詳細な健診だけでなく、健康への理解を深めるためのセミナーなども行いながら、健康への意識、カラダへの意識を変えていっていただきたいと思っています」

健康診断の役目とは?

待ち時間中、仕事もできるWi-Fi完備のワークスペースもあります。

健康診断を受けて「所見ナシ」だった場合、自分は文句なしの健康だと思いますか? あるいは、少々気を付けたほうがいいという項目があっても、生活習慣を変えることなく、そのまま放置していませんか?

人生100年時代になった今、自分の健康は自分で守らなければならない時代になりました。生活習慣病である糖尿病などの治療は、この先保険適用外になる、とも言われています。

「私が以前に勤めていた総合病院で、救急車で運ばれてきた方のほとんどのご家族が『健康診断をちゃんと受けていたのに……』とおっしゃっていました。健康診断は受けて終わりなのではなく、活かさなければ意味がありません

しかし、それを活かせないのは、健診を提供する側にも問題があります。受診された皆さんが自分の健康状態を分かりやすく、正しく知ることができる方法が必要なのです。そこで、我々はこのKRD Nihombashiを立ち上げました」(田中先生)

体の中を「見える化」する

KRD Nihombashi」は、「あなたのカラダの“その先”を読む」という考え方から、一般的な健康診断とは異なる4つの特徴があります。(ちなみに「KRD」とはKARADA(体)の頭文字をとったもの。体のことを全方位でサポートを意味します)

01.血液検査項目が70項目を超える

「人間ドックでも見るのは30項目程度。町の小さな病院などで受けるものはさらに少ない項目での検査になります。一般的な血液検査は、体の状態が『ざっくりわかる』のに対し、KRD Nihombashi で受けていただく70項目超の血液検査では、いろんな角度、いろんな切り口から調べることができるため、今の体がどれくらい正常か、どれくらい異常かなど、健康の傾き具合がわかります

さらに6カ月ごとにフォローアップの血液検査がついているので、半年後の身体の変化をチェックすることができます。

02.歯科健診がある

「お口は体の窓口です。口腔内が健康な人は、体も健康なことが多い。口腔内にトラブルがある人は、体のどこかにトラブルがあるといえます。

最近、高齢者の誤嚥性肺炎が問題になっていますが、以前勤めていた病院で、入院患者全員に口腔ケアを行いました。すると、院内の誤嚥性肺炎はゼロに。

また、歯周病も体の病気と密接な関係がありますので、生活習慣が大きな起因となる全身疾患を未然に防ぐためにも、ここでは歯科検診の5項目が入っています」

03.眼科健診がある

「今は、PCやスマホを見ない日はありません。現代人の目にはものすごい負担がかかっています。一般的な健診は、視力を測って、眼圧を測る程度ですが、こちらでは、8つの大学病院の精密検査レベルの検査をします

すると、驚くことに半数の人が引っかかるのです。一般の健診では、目の奥の45度くらいの範囲しか見ることができませんが、ここでは220度の範囲を眼底画像撮影できる超角膜眼底検査も行います。

つまり、目の中のほとんどを見ることができるので、今までの健診では引っかからなかった人が、実は網膜剥離が起きていたりすることもわかります。何かしら見つかれば対処もできますから、将来のQOLのためにも早期発見は重要なのです。放っておくと、どんどん剥離が進むケースもありますから」

04.健診結果データをクラウドで管理

「一般的な健診は、結果の紙が郵送されてくる、あるいは問診時に渡されると思います。おそらくその紙はどこかにしまってしまい、目を通すこともないでしょう。データをクラウドにあげておくと、気になったときにいつでもどこでも、モバイルで見ることができます

万が一、病院に運ばれることがあっても、その病院の医師が数字をみることも可能です。

健診結果だけでなく、日々の食生活や病歴、労働/生活環境についての問診まで、すべてのデータを時系列でクラウドで管理できるので、未来の自分に向けて、データをしっかり活用することができます

知っておきたい! ダイエットに不可欠な3つの数値

KRD Nihombashiでは、「本当に知るべき血糖値」がわかるといいます。やせているのに血糖値が高い人は隠れ肥満の予備軍。血糖値が乱高下する人も太りやすいといえます。

血糖値が安定していれば、自然とやせやすい体になることがわかっています。しかし、自分の血糖値が安定しているかどうか、知っている人は少ないでしょう。

一般的な健診は、前日の夕食を21時までに済ませ、当日の朝食は食べずに受診することが多いはず。それは、空腹時の血糖値を測定する目的もあります。

「しかし、その血糖値はその瞬間のものでしかありません。通常の血液検査で測るのはヘモグロビンの値のみ。本当に測るべきは、ここ3か月の血糖値の推移です。

血糖値が安定していたかどうか、それが分かるのが『本当の血糖値』といわれる以下の3つの成分です。この3つの数値は血液検査の70項目の中に含まれています」

01.ヘモグロビンA1c(NGSP)
HbA1cの寿命は120日程度と言われていて、約3か月遡って、血糖値の状態を知ることができます。

02.グリコアルブミン
HbA1cと同様に過去の血糖値を知ることができる成分ですが、 寿命は20日程度でHbA1cよりも短く、過去1ヶ月~2週間の平均血糖値の変動を推測する指標となります。

03.1.5AG (1.5アンヒドログルシトール)(通称:いちごえーじー)
1.5AGは食事の影響を受けないため、微細なデータを取ることができ、軽症糖尿病の発見に役立っています。過去2、3日間の血糖コントロールの指標を知ることができる数値です。

この3つの数値をチェックすることが、ダイエット成功の道へとつながるかもしれません。

【実際に受けてみました!】

第一予防への第一歩に

私、編集長ヤマギシがライトコース (胃の検査なし)を受診してみました。

検査を受ける前に驚いたことが、受診5日前からの生活について300項目以上の問診をWeb上で行うのです。食事や睡眠、便の調子から病歴、生活環境まで。この問診とあわせて診断結果の数値をより多面的に見ていくそう。

当日は、左の写真のウエアに着替えて検診を受けます。とても着心地のよいジャージウエアで快適。さらに検診終了したら、ウエアとトートバッグ、スリッパすべてお持ち帰り可能という嬉しい特典も。

診断結果はすべてWebサイト上に、総合所見からカラダからのメッセージ、検査値一覧までがアップされます。数値の解説として用語集も用意されており、項目数はなんと100以上。

さて私の「総合所見」ですが、虫歯があったことから“すぐ医療検診が必要”ということで口腔内異常が大リスクとなり、総合評価はEという結果に。

上部の写真の分度器の赤い部分が身体の健康状態の「傾き」を表現していきます。私は大リスクがひとつあったので、半分赤に……。リスクは、大リスクに続き、小リスク、弱リスクと細かく分析されていきます。

さらに詳細な検査結果が、「カラダからのメッセージ」にて、気になる症状がある部位ごとに細かく所見がでてきます。

左の写真のように、胴体と頭部で大きくページがわかれており、異常のある箇所にコメントが記載されます。私の場合、頭部の脳の箇所(左の写真)には、「ストレス異常」という指摘が!

詳しくは記載しませんが、他にもリスクがある箇所にコメントがありました。このような詳細な結果をみることによって、自分の体の状態を見直すきっかけとなり、日常生活の立て直しにもつながると実感しました。

まさにこれこそが第一予防にもつながっていくのですね。今回、私が受けたライトコース(胃の検査なし)は95,000円。何に投資をするか、を考える時代になってきたともいえそうです。

健康から旅など様々なジャンルの本が並ぶライブラリースペースも。

KRD Nihombashi
住所:東京都 中央区 日本橋本町4丁目4番2号
目歯血特化コース 60,000円
スタンダードコースAコース 125,000円 Bコース 110,000円
ライトコース(胃の検査なし)95,000円 ほかプレミアムコースなどもあり。
完全予約制
予約はこちらから

田中岳史(たなか・たかし)院長
KRD Nihombashi 院長。1985年順天堂大学医学部卒業。90年順天堂大学大学院修了。93年ケンブリッジ大学留学。明理会行徳総合病院の院長などを経て、2018年より現職。