オリックス・吉田正尚

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◆ オリ熱コラム2019〜第10回・シーズンの折り返し〜

 今シーズンの前半戦が7月10日に終了。同12日からのオールスターゲーム2試合を挟んで、いよいよ15日からは勝負の後半戦が始まる。

 今シーズンのオリックスは、西村徳文新監督の下で『アグレッシブ』をテーマに掲げ、若手中心のチームに変貌したが、序盤は「あと1本」が出ずに苦しんだ。チーム打率(.234)、得点数(293)は断トツの最下位。何より得点圏打率.233は、トップの西武(.275)やワースト2位のソフトバンク(.259)と比べても頭抜けて低い。

 投手陣も、先発陣の防御率はリーグ1位ながら、救援陣の防御率がリーグ最下位という前半戦だった。“神童”山本由伸の先発再転向に伴い空白となった“セットアッパー”がなかなか安定せず、“守護神”増井浩俊も不調が続きファームへ。現在は、近藤大亮、海田智行、比嘉幹貴、エップラーがいわゆる勝ちパターンに入り、ディクソンが暫定クローザーを務めている。

 チームは前半戦終了の時点で、83試合を消化。36勝42敗5分け、首位ソフトバンクとは11ゲームもの差が開いてしまった。

◆ 後半戦での反攻へ

 後半戦も引き続き期待したいのは、希望に満ちた豊富な若手先発投手陣の奮闘。開幕投手を務め、ここまで6勝とチームの勝ち頭である山岡泰輔、リーグトップの防御率1.92と抜群の安定感を誇る山本のダブルエースを軸に、プロ2年目の左腕・田嶋大樹とK−鈴木、肩の違和感を受けて抹消された防御率2点台の榊原翼も後半戦からは投げられる見込みだ。さらに、ルーキーの荒西祐大、ファームでの実績をもとに10日の楽天戦に先発した鈴木優など、有望な若い先発陣が揃っているのは大きい。

 振り返ると、前半戦の西村監督が最も多く口にしていたのが、「しっかりやっていかなきゃいけない」という言葉だった。

 主に野手の攻撃面や、守備について苦言を呈したものだが、走塁面は目に見えて変わった。それは西村監督ら首脳陣がアグレッシブなプレーに関しては、ミスをしても特に咎めなかったことが大きい。福田周平、西浦颯大、小田裕也、そしてキャンプから“走塁のスペシャリスト”として、練習に励んできた佐野皓大、彼らが率先して走ることで、「今年のオリックスは足を絡めてくる」と他球団に印象づけることが出来た。あとは、その足をどう得点に結びつけていくか。

 ドラフト7位ルーキーながら一時は4番も務めた中川圭太の奮闘や、主砲の吉田正尚が復調して前半戦を終えるなど、苦しんだ打線にも明るい材料はある。後半戦では、中日から加入したモヤの活躍はもちろん、10日の試合で存在感を示した宗佑磨ら若い野手陣の奮起も、後半戦の巻き返しに向けては必須。ちなみに、7月の得点圏打率は「.333」とリーグトップの数字を残している。

 シーズン途中には福良淳一前監督がGM兼編成部長に就任し、新生オリックスを支える布陣は整っている。まずはクライマックスシリーズ出場を視野に、後半戦はよりアグレッシブかつ、勝負強い野球が求められるところ。2位の日本ハムまでは僅か4ゲーム差。カギを握るのは、若手先発投手陣と、前半戦終盤に当たりが出て来た野手陣である。

取材・文=どら増田