競売で落札されたツタンカーメン王の頭像。競売大手クリスティーズ公開(2019年6月26日提供)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】約3000年前につくられた古代エジプト王(ファラオ)、ツタンカーメン(Tutankhamun)の頭像が英ロンドンの競売で落札されたことをめぐり、競売の中止を求めていたエジプト政府は、国際刑事警察機構(インターポール、Interpol、ICPO)に流通ルートの追跡を要請した。

 高さ30センチ弱のツタンカーメンの頭像は、中止を求めるエジプト政府の強い要請にもかかわらず、7月上旬に行われた英競売大手クリスティーズ(Christie's)の競売で、474万6250ポンド(約6億4400万円)で落札された。落札者は明かされていない。

 だが、落札から1週間もたたないうちに緊急会合を開いたエジプトの国家遺物帰還委員会(National Committee for Antiquities Repatriation、NCAR)は、同国の検察当局がインターポールに頭像の流通ルートに関する捜査を求めたと発表した。NCARは、この頭像が輸出証明書や所有権証明書が出されていない状態で競売にかけられたことに不満をあらわにしている。

 ハリド・アナニ(Khaled El-Enany)考古相が率いる同委員会はまた英政府に対し、エジプト当局にそれらの証明書が提示されるまで、頭像の英国外への持ち出しを禁じるよう要請した。NCARは英国の法律事務所を雇い民事訴訟を準備しているとも述べている。

 エジプト元考古相のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)氏はAFPの取材に対し、この像が1970年代にカルナック神殿(Karnak Temple)から「盗まれた」とみられるとの見解を示している。エジプト外務省は英外務省と国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)に競売の中止を求めて介入を要請していた。

 一方、クリスティーズは、この頭像が過去50年の間に欧州の美術商の間で取引されてきた記録を公表しており、AFPに対し「所有権が明確でない美術品を競売にかけることはない」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News