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JR東海労働組合(JR東海労)が7月8日、東京・霞が関の厚生労働省で会見し、東海道新幹線で働く乗務員(運転士、車掌)の労働実態の改善を訴えた。

JR東海労の木下和樹さん(中央執行委員長)によると、本人への打診や相談もなく一方的に休日出勤を指定され、年次有給休暇も思うように取得できていないという。

木下さんは「新幹線の運転士や車掌は子どもの憧れの職業の1つでもある」とし、「JR東海は働き方改革に逆行している」と怒りをあらわにした。

●一方的な休日出勤の指定、「労働者の事情も聞いてほしい」

「私たちは休日出勤そのものを否定しているわけではありません。休日に出勤してくれないかという相談があれば出勤しますし、都合が悪ければ断ります。一方的に休日出勤を指定するのではなく、労働者の事情も聞いてほしい」と木下さんは語った。

木下さんによると、休日出勤は前月の末に発表される勤務表で一方的に指定されるのだという。この休日出勤に対する振替休日や代休もないという。

また、就業規則には「休日労働を命ぜられたときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができない」とされているという。しかし、どのような理由であれば「正当な理由」として認められるのかについては、明らかにされていないようだ。

●子どもの入学式や卒業式に参加できない

さらに、勤務日の5日前にならなければ、年次有給休暇(年休)で休むことができるのかも分からないという問題もあるのだという。このため、社員は生活設計を立てることができない現状があるようだ。

「子どもの入学式や卒業式、親族の葬式などに参加できなかったという声も少なくありません」と木下さんは問題視する。

JR東海労は改善を求め、会社と交渉を続けてきたが、一向に改善されていないという。