経済成長が著しいベトナムで、金融事情をさらに追った

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◆ハノイのコンドミニアム民泊に泊まる

 前回に引き続き、ベトナムの金融事情について追っている筆者はハノイ・ノイバイ国際空港の税関を抜け、タクシーを拾って宿泊するコンドミニアムを目指した。だいたい車で40分くらいの距離である。

 泊まり先は、ハノイ市の南東部の新興住宅地にあった。一階から五階くらいまでがショッピングモールであり、その上に二十数フロアの住宅部分がある。

 ホストのファムは三十代後半の銀行勤務のOLで、小学生の一人娘がいるシングルマザーである。筆者が現地に着くと、下まで迎えに来てくれた。こういうコンドミニアムに住んでいること自体、貧困層ではないことは明らかで、英語力からも教育程度の高さがうかがわれる。民泊も、生活のためにやっている様子ではない。どうしてやっているのか聞いてみた。

「ほら、うちの娘には兄弟がいないでしょ。結婚数か月で離婚してしまったから、この子は父親と一緒に暮らしたことがない。私もモロッコとか日本に旅行で行ったことはあるけど、いつも行けるわけではないし、それなら“世界”をうちに呼べばいいと思ったのよ。それに、少しでも娘にいい環境を与えてあげたいと思って……」

 まさに筆者が子供がいる友人に民泊を勧める理由そのものである。民泊をして全世界から日常的に旅行客が訪れるようになれば、間違いなく親が話せなかった英語が子供は話せるようになる可能性が俄然高まるのだ。 

 ファムはコンドミニアム全体を案内してくれた。屋上に行くと、ゴルフ打ちっぱなし用のネットとお寺が並んでいる。ホーチミンの赤勢力も、米軍の北爆をもってしても、ベトナム人の仏教信仰を崩すことはできなかったことがよくわかる。

 下の階に行くと、プールとジムが併設されており、日本円にして二・三百円程度で利用することができる。筆者は夕食の時間まで、泳ぎながら読書して時間をつぶすことにした。

◆在ベトナム邦人も太鼓判をおすベトナムの成長

 夕食は現地在住の日本人の友人と約束していた。浅野彰は約十年前にハノイへ引っ越し、日本語試験J.TESTの普及と人材育成に携わっている。すでにベトナム人女性と結婚して子供もいる。そんな彼が宿泊先まで迎えにきてくれた。十年前にベトナムへ渡ったのだから、会うのは11年か12年ぶりくらいである。

 筆者の宿泊先近くの土地勘はあったのか、と聞くと「一応十年住んでいるのでハノイ市内なら大体どこでもわかります」という。愚問を承知で、今後日本に戻る予定はあるか聞いてみた。

 「全くないですね。家族はこちらにいますし、事業もこちらで、国自体が伸びていますからね。日本に戻っても何の仕事をするのかという問題もありますしね。旅行とか出張で日本に立ち寄ることはありますけど、ここを引き払って、ということは考えられませんね」

 つまり、現地在住の外国人からみてもベトナムの成長性は間違いないということだ。

◆「金利7%は低いほうなんですよ」

 浅野はハノイ旧市街近くのベトナム料理店に連れて行ってくれた。

 ハノイの観光名所はだいたい「ホアンキエム湖」の周辺にあり、そこにはバンコクの歓楽街にもよく似た外国人観光客がどんちゃん騒ぎしている一角がある。全くの余談だが、つい最近ドナルド・トランプと金正恩が会談した「ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイ」もこの湖から徒歩圏内である。

 浅野が「これ食べてみてください」と何やらニヤニヤしながら鳥肉らしきものをすすめてくれた。小ぶりな何かの鳥の丸焼きのようで、骨がついているが、骨自体が柔らかく、噛み切るのは難しくない。

「食べ終わった骨は、そのまま地面に吐き捨ててもらって結構です」という。