関大北陽vs摂津

写真拡大

3,4番が突破口を切り開く!関大北陽打線が爆発し、5回コールド勝ち!

 昨秋8強の関大北陽が初戦を迎えた。大阪でもトップクラスの強力打線を誇るが、辻本忠監督によると、「この日、夏のために1年間かけてやってきたので、最初は硬さがありました」と3回まで1得点。その時点で辻本監督は「9回まで試合をやるな」と覚悟をしていた。ただ4回裏、関大北陽打線が爆発。

 1番三杉 彪真の適時打で1点を追加し、さらに満塁のチャンスで高校通算26本塁打のスラッガー・赤松俊祐(3年・右投げ右打ち・175センチ80キロ)が打席に立つ。赤松は甘く入ったストレートを逃さず、中越え適時三塁打。一気に3点を追加した。さらに二死一、三塁から6番坪山の左前安打、7番林の中越え二塁打で二者生還し、9対0。さらに9番坂本の一塁強襲安打で10対0へ。主砲の一打で持ち味の強打を取り戻した。

 赤松は3回の第2打席でカーブをどん詰まりにして二飛。この時、ベンチから「力が入りすぎ」と声をかけられた。赤松自身、「力は抜こうとしていたのですが、やはり振り返ってみると力みすぎて、バットの出が悪くなっていた」と振り返る。力が入らないよう心掛けようと思ったが、それでは事態は好転しない。そこで、赤松は力んでいることを受け入れた。「力んでいるのはわかっていたので、思い切って振ってやろうと思いました」捉えた打球はあと数メートルで満塁本塁打の当たりだった。

 思考の切り替えのうまさが光った右の強打者。次戦以降の活躍にも期待がかかる。

 また、関大北陽の正捕手・倉岡 朋輝(3年・右投げ右打ち・177センチ86キロ)の活躍も光った。第1打席は左前適時打を放った。辻本監督も「これは大きい一打でした」と評価。さらに倉岡の長所についてこう語る。「今年の選手の中で非常に周りが見える選手で、なかなかうちにはいないタイプです」と視野の広さを高く評価する。

 実際に第1打席の適時打の場面を振り返っても、クレバーさがうかがえるコメントだった。「打ったのはストレートです。変化球が外れていたので、ストレートで攻めてくるだろうと感じました」

 その狙い通りストレートを打ち返し、左前安打となった。また、第2打席も、変化球中心の攻めになると読んで左前安打。1つ1つの打球が鋭い。また、打撃に対する探究心も高い。倉岡の打撃フォームは歩幅がかなり狭く、棒立ち気味のフォームになっているのが特徴的。これは大会前に変更した。

「それまではスタンスを広げて打席に立っていたのですが、軸足に体重が乗らないことに気づいて、現在のフォームとなりました」自分の状態に合わせて微調整できるのが大きな強みだといえるだろう。高校通算15本塁打の長打力を次の試合でも見せていきたいところ。 また、倉岡はスローイングタイム1.9秒台の強肩も見逃せない。l倉岡は「肩の強さではなく、いかにステップや捕って投げることにこだわってやってきました」と、体の使い方を意識しているからこそ、安定したスローイングが成り立つ。捕手を始めたのは2年冬からだというから驚きを隠せない。

 秋8強の関大北陽。この夏は3番赤松、4番倉岡のスラッガーコンビが大阪の夏を熱くしそうだ。

【 速報ページはこちら 】

■開催期間:2019年7月6〜7月28日(予定)■2019年 第101回 全国高等学校野球選手権 大阪大会(三回戦まで)■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会大阪大会】■展望コラム【令和最初の大阪大会は3回戦が最も盛り上がる!今から見逃せない要注目のブロック!】

(文・=河嶋 宗一)