ママ友SNSで頻発 「コメントマウンティング」の傾向と対策

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 マウンティングとは、元々サルなどが相手に馬乗りになって個体間の優位性を示す行為のこと。人間関係で使われるときは、自分が上だと格付けしてアピールしてくる行為を指している。2010年代以降は女性の人間関係におけるマウンティングがたびたび取り上げられ、SNSでも同様の事象が多発している。SNSでのトラブル実態に詳しい ITジャーナリストの高橋暁子さんが、SNS投稿へのコメントという形をとったマウンティングの実態について解説する。

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 SNSでは今、コメントマウンティングが問題となっている。

「最近太っちゃって、50キロ超えそう。ダイエットしなきゃ」
「旦那さん、家事してくれるんでしょ。うちなんて昇進したら仕事がますます忙しくなっちゃって家事なんてしないから、早く帰れる旦那さんが羨ましい」
「私立校は教育費がかかりすぎて大変。うちもお宅みたいに公立校に行けばよかった」

 上のような、一見自虐風なのに馬鹿にされたと感じる、イラッとさせられるコメントをされたことがある人は少なくないだろう。そもそもSNS投稿へのコメントは、投稿した人にとってみれば、読者からの反応があった証拠なのでうれしさを感じるもののはずだ。ところが、発言主を褒めるふりをして自慢が目的のコメントでマウンティングされたら、その喜びも半減する。

 前述のコメントを例にとれば、そもそも体重が50キロを超えたところで大半の女性にとって太ったうちに入らないし、自分の旦那が家事を手伝わない理由として「昇進」したことを伝えるのもわざとらしい。公立校に行けばよかったとだけコメントすれば終わるのに、自分の子供はお金がかかる私立に合格して通っていることを先に伝えるのも、言いたいことの順番が透けて見える。

 これらSNSで行われるマウンティングの特徴は、一見自慢ではなく自虐しているように見えること。認めてほしいが、あからさまに自慢しているとはとられないよう、このようなやり方が多くなるようだ。◆SNSマウンティングは一般的なもの

 2016年11月のWomanInsight編集部の調査によると、「SNSで知り合い・友人のマウンティング投稿を見かけたことはあるか」という質問に対して、51%が「ある」と回答。また、「自分がSNSでマウンティング投稿をしてしまったことがある」という質問に対しても、47%が「ある」と回答している。2人に1人がその現場を目撃し、みずから実践してしまっている。SNSにおけるマウンティング行為は、かなり一般的なものなのだ。

 マウンティングのテーマは、セレブな生活や仕事での成功、ルックスなどだけではない。特に女性に多いのが、恋人や夫、子どもなどの自慢だ。どれだけ優秀か、良い学校や会社にいるかなどを自慢する例が多いようだ。

 ある女性は、ママ友にマウンティングされがちで困っているという。たとえば、自分の子どもが徒競走で2位をとれたとFacebookに書いたら、「おめでとう。うちの子はリレー選手だったけど、もう少しで1位だったのにと悔しがっているよ。お互い惜しかったね!」と書き込まれてしまったそうだ。

 相手がみずからの投稿で子供の足が速いのを自慢しているだけなら、読み流せばすむ。ところが、自分の投稿へママ友からコメントの形でマウンティングをされると、無視することが難しい。

「自分の子が、足が速くて自慢なのはわかるけど、わざわざうちの投稿にコメントで自慢してこなくてもいいのに。これまで4位とか5位だったのが2位をとれて喜んでいたのに…」

 投稿へコメントをしてくれたことへのお礼も含め、「コメントありがとう、1位とれなくて残念だったね」と返信するべきかと悩まされる。コメントではなく、「いいね」ボタンだけで反応してくれるほうがありがたいとさえ思うこともある。このように、他人の投稿に対してのコメントでも、必ず自分の自慢へ話を持っていくのもコメントマウンティングの特徴だ。

 リアルな井戸端会議であれば、すぐに自慢してくる人との会話では優劣を言いたくなるような話題を避ければよい。しかしSNSでは、友人であることを拒絶するほど不仲ではないけれど、という程度のつながりの人から、何気ない日常生活のお知らせ投稿に対してですら、自慢話を押しつけられることがある。◆マウンティングされたら受け流そう

 なぜSNSで、しかもコメントでマウンティングするのだろうか。マウンティングをする人は、全体にプライドが高く、承認欲求が強かったり、競争心が強い傾向にある。逆にコンプレックスの裏返しのこともあるようだ。とにかく自分が一番でなければ気が済まないというわけだ。しかし自分が発信のきっかけになるのにはためらいがあるので、誰かの投稿へコメントするときに、自慢の気持ちがにじみ出る。

 逆に、マウンティングされやすい人は、おとなしくて、言い返さない人のことが多いようだ。気が強い人にすると、逆に言い返されてしまうこともあるためだろう。

 もしマウンティングされてしまった場合は、反応しすぎないことだ。反応しすぎてしまうと、ターゲットとして認定されて今後もマウンティングされ続ける可能性があるためだ。適当に相槌を打って流すなど、反応しすぎないこと。自分のコメントが「好評」だと曲解し、その後もコメントでマウンティングを悪意なく続ける可能性がある。

 あるいは「それってマウンティングだよね」とスバリ指摘したり、「下に見られているみたいで不愉快」とはっきり伝えるのもいいだろう。マウンティングしている側は、自分ではそうだと気付いていないことが少なくないので、意外に効果をあげるやり方だ。

 コメントマウンティングされるたびに憂鬱になるし面倒だからと、せっかく楽しんでいたSNS活用を諦めるのはもったいない。他人のマウンティングに不快にされることなく、うまくSNSを楽しんでほしい。