突如として激痛に襲われる「尿路結石」。それは「痛みの王様(king of pain)」の異名を持つほど。この地獄の苦しみから逃れるには、どうしたらいいのだろうか。

 体験者から聞くと、「のたうち回るような痛さ」「地獄の痛み」とか、尋常な痛みではないことが分かる「尿路結石」。これは、尿路系に沈着する結晶の石である結石のことをいう。もしくは、その石が詰まってしまうことにより起きることだが、この時にしばし激痛を伴うのだ。

 さまざまな要因については明確になっていないが、発症は動脈硬化と類似し、メタボリックシンドロームの病態の一つだと考えられるようになってきた。

 お笑いコンビ『笑い飯』の西田幸治さんは、5年ほど前に自宅で突如、痛みに襲われた。その時の体験を後にこう語っている。

 「金玉に針を刺したような、股間にドッチボールが命中したときのような衝撃を受けました」

 とにかく尿路結石の痛みは激烈で、まれに失神する患者もいるそうだ。尿路結石は腎臓、尿管膀胱、尿道にできやすく、特に中年男性に多い。腎臓結石と尿管結石を「上部尿路結石」、膀胱結石と前立腺結石を「下部尿路結石」といい、日本人の場合は上部尿路結石が大半を占める。

 東京労災病院泌尿器科担当・新井達也医師は次のように話す。

 「男女比では、2.4対1の割合で男性が多く、日本人の生涯罹患率は15%程度です。女性は閉経後に多く発症し、50〜70歳代が多くなっています。尿路結石は“痛みの王様”と言われるくらいの激痛の場合が多く、腰の周辺や脇腹、背中側に感じられ、倒れ込んだり、まれに失神する人もいるほどです。結石になる患者さんで正しい知識を持っている人は少なく、とんでもない状態になってから来院することが珍しくありません」

 さらに同医師は、尿路結石の前兆としての分かりやすい症状につて、こう説明する。

 「まずは血尿です。おしっこに血が混ざりますが、色は真っ赤とは限りません。コーラ色のようなこともあれば、朝一番にトイレに行ったときのように、やや濃い目の尿のときもある。普段と違う色の尿が毎回続く場合は、発作の前触れと考えた方がいいでしょう」

 一方で尿路結石の約3割は痛みを伴わないといわれる。結石は、多くの人がしばしば出来ているもので、出来た結石の大きさが尿管よりも小さい場合は、自然に尿管内を移動して尿とともに排出されて、痛みも発生せず、本人は何ら問題を感じていない。

 だが、結石の大きさが尿管と同等、もしくはそれより大きい場合は、尿管を塞いでしまい、腎臓で尿が作られるにつれ腎臓から結石の位置までの圧力が高まっていき、激痛が発生するという。この状態でCT撮影を行うと、ほとんどの場合、腎臓の肥大が起きている。

 「このように、尿路結石が大きいほど、体に与えるダメージは大きい。流れをせき止められた尿が停滞し、腎臓に溜まると『水腎症』を起こしやすくなります。最悪の場合、腎臓を摘出する結果となります。よく知られるように、腎臓は二つのうち一つ摘出しても命に別状はありません。しかし、疲れやすくなり、体の無理が効かなくなるなど、確実に日常生活の質が落ちます」(新井医師)

 都内に住む会社員Cさん(52)の場合、今回は結石の大きさが10ミリ前後にもなり、尿管を塞いでしまった。それでも腎臓は尿を作り続けたため、腎臓から結石までの間に圧力がかかり、激痛が発症した。結局、Cさんの治療には、体の外から結石に衝撃波を当て、砂のように小さく砕いて、排出させる「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」が用いられた。

 これは麻酔を必要としないため、体に負担の少ない治療法。また尿路結石の治療法としては、他に尿道から内視鏡を入れてレーザーで結石を破砕する「TUL(経尿道尿管結石術)」という方法もある。