「大坂冬の陣図屛風」デジタル想定復元
制作:凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社は、2019年7月27日(土)から9月8日(日)まで徳川美術館・名古屋市蓬左文庫で開催される特別展「合戦図−もののふたちの勇姿を描く−」にて、「大坂冬の陣図屛風」デジタル想定復元を初公開する。これは、東京国立博物館が所蔵しており、模本(模写)と考えられている「大坂冬の陣図屛風」を復元するプロジェクトで制作されたもの。7月28日(日)には、徳川美術館の講堂で実施されるシンポジウム「大坂冬の陣図屛風、これまでとこれから」にて、プロジェクトの取り組みも紹介される。

「大坂冬の陣図屛風」の復元プロジェクトは、2017年11月から開始された。原本の所在が不明で誰もその姿を見たことがない屏風の彩色を、デジタル技術で再現。復元にあたっては、書き込まれている模本の指示が重要な手掛かりとなった。専門家による調査と監修を得ながら時代性や作者が考証され、彩色を進めることで見えてくる屏風の全体像から、その都度学術的な考証に照らし合わせて完成形を考察。絵具ごとの質感の差などを考慮することによって肉筆画のような質感が表現されており、さらに手作業で金箔や金銀泥を施すことで、六曲一双風の色鮮やかで豪華絢爛な復元図に仕上げられた。

図像部の各サイズは約2986×1656mm。凸版印刷株式会社では、今後はこの屛風を用いた展示やイベントの企画、貸出への活用を推進していく。


「大坂冬の陣図屛風」(東京国立博物館蔵)
画像提供:立正大学

凸版印刷株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
2019/06/26