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◆具体的な「対案」が出た6・19党首討論に安倍首相は……

「野党は反対ばかり」「反対するなら対案を出せ」−−。

 政権支持者からこうした声がよく聞かれるが、約1年ぶりに行われた党首討論の場で、国民の関心が集まる年金問題について野党党首からは具体的な提案が幾つかなされた。

 例えば野党側の3人目として党首討論に臨んだ共産党・志位和夫委員長は、持ち時間が約5分半と短い中、「高額所得者優遇の保険料を正す」という具体的な提案を行った。

 本記事では、志位委員長と安倍総理の党首討論における約5分半のやり取りをノーカットで信号無視話法分析していく。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化する。

 以上のルールに基づいて、安倍晋三総理の回答を集計した結果、このようになった。

<色別集計・結果>
安倍晋三総理:赤信号71% 青信号15% 黄信号0% 地の色15%

 大半が赤信号でほとんど質問に答えていない。

 いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。

◆志位委員長による「具体的な対案」

志位委員長:冒頭、昨夜の地震で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げると共に、二次災害と被害の拡大防止に万全を尽くすことを政府に求めます。

 金融庁が夫婦の老後資金として公的年金以外に30年で2000万円が必要との報告書を公表したことが年金への不安を広げております。年金への不安はこれに留まるものでありません。マクロ経済スライドによる給付水準の引き下げという大問題があります。

 直近の公的年金の財政見通しによれば、マクロ経済スライドは現在41歳の人が65歳で年金を受け取れるようになるまで続き、これによって受け取れる年金の水準は、平均的な高齢夫婦世帯で月額43,000円。30年間で約1600万円も減らされます。

 今の年金保険料は、月収62万円、ボーナスを含め年収で約1000万円を超えますと保険料負担が増えない仕組みになっています。年収が約1000万円の上限額を超えますと2000万円の人も1億円の人もみんな保険料が同じ。年間95万5000円です。

 そこで提案でありますが、約1000万円のこの上限額を健康保険と同じ約2000万円まで引き上げる。そのことによって約1.6兆円の保険料収入が増えます。その際、アメリカでやってるように高額所得者の年金給付の伸びを抑制する仕組みを入れる。そうすれば、それによる給付増分を差し引いても毎年約1兆円の保険料収入を増やすことができました。

 この1兆円を、マクロ経済スライドを止め、減らない年金にする財源に充てる。これが私たちの提案であります。総理に端的に伺います。年収1000万円を超えますと保険料が増えなくなる。高額所得者優遇の保険料のあり方、これ、正すべきじゃないんですか。端的にお答えください。正すかどうか。

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 数値根拠を挙げながら、「高額所得者優遇の保険料のあり方を正す」と提案した志位委員長。

 以下、これに対する安倍総理の答弁。

安倍総理:あのー、まあ、この議論で大変残念なのは、あー、先ほどの党首の議論でですね、年金の、いわば、積立金が枯渇すると言う時、拍手が起こったことであります。えー、私は、そういう議論はですね、そういう議論はすべきではないですし、テレビを見ている方々がおられますからですね、大切なことも述べなければいけないわけでありまして。

 えー、年金の、基礎年金のですね、運用については44兆円プラスになっているということはハッキリと申し上げておきたいと思いますし。

 マクロ経済スライドについてのご質問でございますが、マクロ経済スライドについてもですね、え、先程来お話をさせて頂いて、え、おりますように、これは、あー、平均寿命は伸びていきますから給付が増えていく。そして、生産年齢人口が増えていきますから、えー、当然、これは、あー、被保険者は減っていく。その分を、ま、調整、調整していく。えー、そうした格差を調整していく数字によってですね、将来の受給者の所得代替率を5割を確保していくというもの、確保していくというもの、でありまして。それが今、発動されて、しかも、それが0.9から0.2になったということはまさに改善したということを申し上げているわけでありまして。先ほど、散々毀損されましたが、そのことをハッキリと申し上げておきたい。えー、思います。(赤信号)