相手守護神の“ハンド”を主張したスアレス。だがその場所は……。 (C) Getty Images

写真拡大

 噛みつきや故意のハンドなど、これまで幾度となくピッチ内で問題を起こしてきたウルグアイ代表FWルイス・スアレスが、またも世間を賑わせている。

 現地時間6月24日に行なわれたコパ・アメリカのグループCの最終節、ウルグアイとチリの一戦は、試合終盤の82分にエディンソン・カバーニがヘディングでネットを揺らしてウルグアイが1-0で勝利し、首位でベスト8進出を果たした。

 決勝トーナメント行きが確定しているチーム同士の一戦とは思えない激しい肉弾戦が随所で見られるなか、22分、エリア内右から侵入したスアレスが、チリ代表GKガブリエル・アリアスと対峙した時だった。

 一度、アリアスをかわし、そのままゴールライン際までボールを運んだスアレスは、ゴールへとシュートを放つ。ここで追走してきたアリアスが立ちはだかり、左手に見事なセーブを披露した。

 ここでハプニング(?)が起きる。何を思ったかスアレスが両手を挙げて、ハンドを主審に主張したのだ。しかし、場所はペナルティーエリア内。GKのアリアスが手を使っていいのは言うまでもない。

 しばらくして我に返ったのか。自身のアピールが意味を持たないことに気づいたスアレスは、苦笑いを浮かべながらそっと両手を下げた。

 このスアレスの一連のプレーに各国メディアも反応。アルゼンチン紙『Ole』は、「まさに珍事だ。エル・ピストレロ(ガンマンの意。スアレス愛称)は、一瞬のうちに自分の間違いに気づいた」と綴り、英紙『The Sun』は、「ファンに愛されているスアレスは、まるで道化師のような振る舞いをみせた」と皮肉交じりに問題のシーンを振り返った。

 思わずGKのハンドを主張し、赤っ恥をかいてしまったスアレス。だがその行動も、勝利への飽くなき執念の表われと言えるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部