エクアドルの布陣変更によって日本は攻撃が停滞した。(C)Getty Images

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 勝てば決勝ラウンド進出。引き分けでは足りない。あと1試合、戦いたかった。このチームをもっと見たかった。今はその思いしかない。コパ・アメリカ、グループステージのエクアドル戦は、互いに攻めつつも1−1の引き分け。日本とエクアドル、ともに敗退が決まった。
 
 全力で戦い抜いた。とはいえ、日本の反省点は多々あるだろう。「決めるとこ決める問題」以外で言えば、前半途中から後半の頭にかけ、日本はエクアドルに試合の主導権をわたしすぎた。
 
 15分に日本が先制点を挙げたこともあり、エクアドルは2点が必要になった。その高まる圧力に押されたのか、日本は自陣でのイージーミスが目立つようになり、バタバタと落ち着かない。より一層攻め込まれてしまった。
 
 特に左サイドで攻撃参加する、相手サイドバックの4番ベラスコが厄介だった。彼のオーバーラップから、日本は後手を踏む場面が増え、その流れで与えたコーナーキックから同点弾を許す。直接的には、岩田智輝がヘディングの目測を誤るミスを犯したが、この時間帯はほとんどの選手がミスに絡んだ。日本にとっては良くない時間帯だった。
 

 1−1に追いつかれた後、日本は徐々にリズムを取り戻す。久保建英の惜しいシュートなど、いくつかのチャンスを作り、反撃も見せた。
 
 さあ、後半! と行きたいところ……。
 
 しかし、リズムを取り戻したはずの日本は、後半に入ると、再びエクアドルにペースを握られてしまう。66分の上田綺世投入以降は、かなりの猛攻に出たが、振り返ると、この後半序盤の20分は、エクアドルに終始ボールを持たれ、“謎の停滞”があった。
 
 その理由のひとつは、柴崎が負傷してひとり少ない時間があり、一時的に凌がざるを得なかったこと。もうひとつは、エクアドルの変化だ。相手はシステムを4−1−4−1から、4−4−2(4−2−3−1)に変え、攻守に修正を施してきた。
 
 システム変更の狙いは、主にふたつあるだろう。
 
 ひとつは、アンカー8番グルエソの両脇のスペースを埋めること。日本は前半、このスペースを攻略の足がかりにしてきた。相手1トップの13番エネル・バレンシアと、2対1を作ることができる植田直通、あるいは動いてフリーになった柴崎岳らから、少し長めの縦パスを入れる。このボールがアンカー脇にポジションを取る三好康児、久保建英、中島翔哉らに入り、日本はこのスペースを起点に攻め込んだ。再現性のあるパターンだった。
 
 しかし、後半のエクアドルは、8番グルエソと18番オレフエラを並べ、ダブルボランチに変える。バイタルエリアを埋め、日本の狙いを防ぐ。的確な修正だった。
 
 次に、システム変更のふたつめの狙い。それはサイド攻撃をより深く突き刺すことだろう。
 
 前述した通り、前半はサイドバック4番のベラスコが厄介な選手だった。日本の両サイドハーフ、中島と三好は、中盤の守備には入るが、最終ラインまでは下がらない。特に中島はその傾向が強い。だから前半、高い位置へ上がるサイドバックのベラスコに対し、日本はサイドバックの杉岡大暉がマークを受け取るか、あるいは柴崎や板倉滉がカバーに入り、どうにか対応した。相手サイドバックが高い位置を取ってくると、日本の守備は問題が起きる。
 
 この箇所を、より明確に、両サイドにわたってエクアドルが突き始めたのが、後半の序盤だった。反対サイドでも、サイドバックの6番ラミレスが高い位置を取り、MFとともに2対1を作る。そして大きなサイドチェンジを蹴り、岩田や杉岡を攻め立てる。リスクマネージメントは、ダブルボランチに変えた中盤任せ。サイドバックがともに高い位置へ張り出し、サイドを深く、相手ラインの裏を取って突き崩す。