エクアドル戦で1ゴールを決めた中島は、東京五輪オーバーエイジの有力候補だ。(C)Getty Images

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 エクアドル戦は1−1のドローで惜しくも決勝トーナメントに進出できなかった。
 
 だが、今大会での3試合はU-23日本代表候補の選手にとって、来年の東京五輪に向け非常に大きな経験になった。なにせ南米チームとガチンコで戦い、2試合は負けなかったのだ。これほどの強度でくる同世代のチームはおそらくほとんどないはずで、来年の東京五輪ではビビることなく世界の強豪と戦えるはずだ。
 
 東京五輪を戦う選手選考という視点でも重要な意味を持つ大会になった。
 
 今回の日本代表メンバーのうち18名が東京五輪世代である。残り5名は、オーバーエイジ(OA)枠を見越しての招集だった。もともと森保一監督は「早い段階でOA枠の選手を入れた中でチームを見ていきたい」と語っていた。その望み通りの編成が出来たわけで、そこで戦える選手、そこに至らない選手という見分けが出来たことだろう。
 
 見極めは、今大会で言えば単純に試合に常時出場できたかどうか。
 エクアドル戦は、勝たなければいけなかったので、試合の重要度はマックスになる。それまでの2試合を踏まえつつ、その試合に抜擢された選手は、森保監督が現在、最も信頼している11名ということになる。

 東京五輪世代で言えば、冨安健洋、岩田智輝、板倉滉、杉岡大暉、三好康児、久保健英だ。杉岡、冨安は3試合連続でのスタメン出場であるし、久保もウルグアイ戦は途中出場だったが3試合に出場した。三好はウルグアイ戦で2ゴールを挙げて結果を出し、エクアドル戦出場のチャンスを得た。板倉は試合勘のなさが影響し、ウルグアイ戦の前半は戸惑うシーンが多かったが、ボランチだった森保監督の指導を受けてセカンドチャンスをもらい、エクアドル戦ではまずまずのプレーを見せた。この6名の選手は、今後も森保監督が考える東京五輪代表チームの軸となる選手と考えていいだろう。ただ、久保については来年の五輪出場は予断が許さない状況になる。リオ五輪で久保裕也がクラブ事情で出場が認められなかったが、レアル・マドリ―も同じ選択をする可能性が高いからだ。
 
 エクアドル戦で途中出場を果たした上田綺世、安部裕葵、前田大然もU-20W杯出場組やトゥーロン国際大会に出場した選手よりもアドバンテージを得ているといってもいい。逆に初戦のチリ戦に出場し、その後起用されなかった中山雄太、試合出場がなかった松本泰志らはこれから発奮し、違いを証明していかないと森保監督の構想の大枠にいても肝心の18名のメンバーに入ることは非常に難しくなる。
 
 OA枠もボランチの柴崎岳と攻撃的MFの中島翔哉は、現段階ではほぼ確定だろう。
 とりわけ柴崎はチリ戦、ウルグアイ戦に続き、エクアドル戦でも攻守の軸になり、存在感の大きさを示した。3試合目になると周囲との絡みもスムーズになり、エクアドル戦では例えば冨安がポジションを空けた後のカバーの連動が普通にできており、センターとボランチがともに互いの動きを理解し合えているのが伝わってきた。気が利いた守備ができるボランチがいてくれることはセンターバックにとって心理的に大きく、より積極的に相手にアプローチできるが、柴崎の存在がそれを可能にしている。中島も攻撃のアクセントとなり、エクアドル戦では貴重な先制ゴールを挙げた。このふたりは欠かせないパーツになっている。
 
 では、OA枠のもう一枠はどのポジションになるのか。
 北京五輪以降の五輪代表の編成を見てみるとOA枠は、北京五輪はゼロ、ロンドン五輪は吉田麻也と徳永悠平、リオ五輪は塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三の3名だった。ざっとみると守備陣の選出が多いが、これは五輪という大会を勝ち抜くために失点を回避することを考えるためである。日本の場合、攻撃陣に優秀な選手が多く、守備がウィークになることが多いので、OA枠は守備重視の傾向だった。