エクアドル戦でも光った柴崎のパフォーマンス。写真:Getty Images

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 中島のゴールで幸先よく先制しながらも前半のうちに追いつかれ、そのまま1−1のドロー。後半は久保を軸に複数のチャンスを作っていただけに、エクアドル戦は悔やまれる引き分けに終わった。もっとも、こうした国際舞台ではいくら内容がよくても結果が全てである。結局は1勝もできず、グループリーグ敗退という現実を真摯に受け止めなければならない。
 
 とはいえ、グループリーグ3試合を通してみると、惨敗だったわけではない。今後への明るい材料を挙げるとすれば、ひとつは柴崎の活躍だろう。チリ戦こそ球際の争いで劣勢を強いられる場面があったものの、続くウルグアイ戦、エクアドル戦では見事なかじ取りでチームを仕切った。
 
 最終ラインからのパスのもらい方は抜群で、その後の展開もスムーズだった。エクアドルの選手からプレッシャーをかけられても動じず、確かなボールコントロールで敵をいなし、味方にボールをピタリとつける。そうしたひとつひとつの丁寧なプレーが、ウルグアイ戦以降、日本の中盤の構成力を高める要因になったと言えた。
 
 落ち着いてボールを捌く柴崎の姿を見て、ふと思ったことがある。彼なら、いずれフランクフルトで第二の春を謳歌する長谷部のようなリベロになれるのではないかと。最終ラインまで落ちてきて冨安や植田の両CBを巧みに操りながらビルドアップするプレー、優れた読みでのパスカット、絶妙なポジショニングでのコース切りにカバーリングなどがその根拠だが、なかでも守備の局面でのポジショニングが素晴らしかった。
 
「身長がそこまでないからCBは無理」との意見もあるだろうが、5バックの1枚ならどうかと勝手に想像してしまう。仮にそのように起用されたら、的確なコーチングでDF4枚を操り、ビルドアップの局面では周りを生かしつつ、効果的なパスでチームの攻撃を活性化させるような働きも……、と「たら・れば」を言っても仕方がないが、いずれにしても柴崎のパフォーマンスは評価に値した。
 
 ロシア・ワールドカップあたりからだろうか、柴崎のコメントをミックスゾーンで聞いていてもリーダーシップが明らかに感じられるようになった。そうした言動を踏まえると、柴崎が日本代表でもいずれ長谷部のような役割を任されるのではないかと期待してしまう。
 
 南米というアウェーで、しかも本気のウルグアイやエクアドルとの対戦で光った柴崎のプレーぶりは今後の日本代表にとって大きな希望となる。願わくは、来季のクラブシーンでもこうした躍動する姿をコンスタントに見たい。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)
 
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