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同社はこれまでも「ゴルフ向け」や「アビエーション(航空)向け」のスマートウォッチを発売してきました。今回のMARQシリーズでは、カーレーシングに最適な「MARQ DRIVER」、航空向けの「MARQ AVIATOR」、海上向けの「MARQ CAPTAIN」、クライミングなどに向いた「MARQ EXPEDITION」、アスリート向けの「MARQ ATHLETE」という、5モデルを取りそろえています。

税別価格は、MARQ DRIVERが330,000円、MARQ AVIATORが280,000円、MARQ CAPTAINが260,000円、MARQ EXPEDITIONが250,000円、そしてMARQ ATHLETEが210,000円です。

○ハードウェア的な基本性能はほぼ同じ

このMARQシリーズ、ハードウェア的な性能はほぼ共通です。ウォッチサイズは全モデル共通で直径46×厚さ14.7mm。ディスプレイは1.2インチ(解像度240×240ピクセル)反射型Chromaディスプレイを採用しています。液晶はタッチ非対応で、基本的に本体左右の5つのボタンで操作します。バッテリー稼働時間はスマートウォッチモードで12日間、GPSモードで24時間、UltraTracモードで48時間になります。

基本機能として、スマートフォン連携機能とライフログ、スポーツアプリを搭載。5モデルすべて、電話、メール、SNS、天気予報、スケジュールなどの通知機能を持ちます。また、一日の活動量や階段を上った階数、睡眠状況、消費カロリーといった活動ログ、そしてランニングやサイクリング、水泳といったアクティビティの記録ができます。

では、なにが違うかというと、ベゼルのデザインや、バンドの素材とデザイン、特殊機能、各モデル限定のウォッチフェイスデザインです。たとえば、レース向けのMARQ DRIVERのベゼルはタキメーターですが、山岳向けのMARQ EXPEDITIONはベゼルが360°コンパスになっています。航空向けのMARQ AVIATORには、飛行用のアプリや直接誘導ナビゲーションを搭載。海上向けのMARQ CAPTAINには、レガッタタイマーや落水事故究明アシスト機能を搭載するなど、それぞれのモデルに合わせた特殊機能を持たせています。

以下、各モデルを個別に見ていきましょう。

○カーレーシングの観戦にも!「MARQ DRIVER」

最初はオートレーシングの運転や観戦向けの「MARQ DRIVER」です。まず目を引くのが黒と赤のシャープなデザイン。バンド部分はチタン製で、裏に赤いシリコンパーツを配したハイブリッドブレスレット。黒いチタンのヒンジ部分から赤いシリコンがチラリと見える、複雑な構造です。

MARQ DRIVERは、ベゼル部分がタキメーター(1km走行時のタイムから、おおよその平均時速を計算できる目盛りのこと)になっています。独自機能として、世界の有名自動車レースのコースを250種類以上プリセット。

日本なら富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなど、6コースがあらかじめ登録されているのも特徴です。レーシングアプリを起動すると、GPSによって現在地から近いコースを選択可能。車の位置から自動的に、現ラップや最速ラップなどを記録する自動レーシング機能を使えます。

○ パイロットや航空ファン向けの「MARQ AVIATOR」

MARQ AVIATORは、ブレスレット型バンドに軽量なチタン素材を採用したスマートウォッチです。ベゼル部分は24時間GMTで、時差がある海外の時刻を簡単にチェックできます。メイン時計フェイスデザインには、出発地と到着地の空港コードとGMTを表示します。

また、MARQ AVIATOR独自の機能としては、目的地までの推定所要時間や方向などを表示する「直接誘導ナビゲーション」や、現在飛行している場所を地図表示する機能、水平姿勢表示計などを搭載します。

これらはもちろん航空パイロットに便利な機能ですが、一般航空ファンが旅客機で移動するとき、自分の状態を記録に残すのにもぴったり。自家用飛行機免許の取得率が低い日本では、航空ファンの購入が多くなるかもしれません。

○ボートやヨット、船舶など海上での利用を想定した「MARQ CAPTAIN」

MARQ CAPTAINは、ナイロン製素材をジャガード織りにした質感あるバンドを採用。ベゼル部分は、レースの予告信号からのスタートタイミングなどを計るための、レガッタタイマー用目盛りになっています。メインの時計フェイスでは、目的となる港の風や温度といった天慶情報を表示します。

独自の機能としては、ヨットレース時のスタート時間などをセットできるレガッタタイマーがあります。ほか、互換センサーと連動させて風速と風向きをモニタリングし、効率的なレーシングを補佐するタックアシスト機能や、位置マーキングと方向、距離のカウントダウンなどを表示する落水事故救命アシスト機能などを備えます。

○クライミングやハイキングなどをサポートする「MARQ EXPEDITION」

MARQ EXPEDITIONのバンドにはイタリア製のなめし皮を採用し、普段使いにもよさそうな高級感のあるデザインです。ベゼルの目盛りは360°コンパスになっています。メインの時計フェイスデザインには高度や気圧、気圧の傾向などを表示します。

独自機能としては「オリエンテーリングモード」を搭載。これは、向かいたい目的地までの方向の偏差や等高線を表示するモードです。人気ルートの表示、スキーマップのナビゲーション表示、コースや通過地点の記録、ハイキングアプリといった、山登りに便利な機能ももちろん搭載しています。ちなみに、ハイキングアプリはMARQシリーズ全モデル共通で使用できる機能ですが、MARQ EXPEDITIONでのみ、本体右上のボタンひとつで呼び出せます。

○ランニングなどスポーツ全般に便利な「MARQ ATHLETE」

MARQ ATHLETEのバンドには、黒いシリコン製ストラップを採用。ベゼルは上部に「VO2 max」の目盛りを表示しています。VO2 maxとは、体重あたりの酸素摂取量。この数値が多いほうが、持久的運動能力が高いといわれています。

ベゼル下部にはリカバリータイムの目盛りを配置。こちらは最後のアクティビティから体力が回復するまでの予測時間を表示します。メインとなる時計フェイスでは、現在の心拍数やランの合計値が表示されます。ベゼルを使ったVO2 maxとリカバリータイムの値も、ここで表示されます。

MARQ ATHLETEは、メインの時計画面でVO2 maxとリカバリータイムが表示される以外は、他モデルのような「独自の機能」はありません。ただし、ガーミンは2012年からマルチスポーツウォッチを発売しているだけあり、共通機能だけを見ても、パーソナルコーチ機能や多彩なモニタリング機能など、とても充実しています。

MARQ ATHLETEは、MARQシリーズでもっとも低価格帯の製品です。「とりあえずMARQシリーズを使ってみたい」という向きには、標準的な機能のMARQ ATHLETEを選んでもよいかもしれません。MARQシリーズならではの、明るい屋外でも見やすい液晶画面や、クリアなサファイアクリスタルの風防、スマートウォッチモードで12時間連続稼働できる長寿命バッテリーなど、ガーミンの高機能モデルならではの魅力を体験できるはずです。