RADWIMPSが6月22日、23日に千葉・ZOZOマリンスタジアムにて初のスタジアム単独公演を開催した。2日間合わせて約7万人超のオーディエンスが記念碑的なライブを目撃した。

RADWIMPSは6月8日の長野・ビッグハット公演から全国ツアー「ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019」をスタートさせており、その序盤に大きな山場を迎えた格好である。ツアー中なので詳細なセットリストの記載は伏せるが、ここでは初日の模様をレポートする。

梅雨前線の影響により関東地方は朝から雨模様だったが、16時30分の開場時間を迎えたころにはすっかり晴れ間がのぞいていた。

18時の定刻を10分ほどすぎたときに会場のBGMが止まり、1曲目を飾るSEがスタジアムに鳴り響く。メンバーがステージに登場すると3万7千人のオーディエンスが歓声を上げながら、ダイナミックなビートにハンドクラップを合わせる。ステージの壁面には巨大なLEDビジョンが設置され、カラフルなモーショングラフィックが映し出されている。
野田洋次郎(Vocal/Guitar/Piano)が「準備はできているかい!?」と声を挙げ、サポートの森瑞希と刄田綴色のツインドラムを擁する5人編成のアンサンブルは一気にドライブしていく。野田のみならず、桑原彰(Guitar)と武田祐介(Bass)も大きなステージを自由に動き回りアグレッシブなプレイでオーディエンスを惹きつけていく。
「初めてのワンマンのスタジアムライブです。完売御礼!今日は何かが起こりそうじゃないですか!?」
最初のMCで野田はそう咆哮した。実際にRADWIMPSにとって初のスタジアムライブは冒頭からずっと特別なムードが会場全体を覆っていた。特に近年のRADWIMPSがスタジアムにふさわしいスケール感に満ちた音楽性と演奏力を誇っていることを証明するパフォーマンスが、終始繰り広げられていったのである。

メンバーとオーディエンスが力強く呼応し、合唱が巻き起こった『万歳千唱』。ダークな様相を呈しながらもスタジアム特有の開放感とともにセンセーショナルな楽曲の内容がより生々しく迫ってきた『PAPARAZZI』。あるいは野田が指揮を執りメンバーの超絶的なソロバトルが交わされることでおなじみの『おしゃかしゃま』も、その響き方はいつも以上に圧倒的だった。
そう、野田はこんなことも言っていた。
「雨、止んだでしょう?やっぱり俺たちには天気の子がついてるんですよ!」
これは言うまでもなく、「君の名は。」に続き再び劇伴=サウンドトラック制作を担当しタッグを組むことになった新海誠監督の最新作「天気の子」(7月19日より全国公開)になぞらえた発言だが、事実、この日の空模様とライブの内容はあまりにドラマティックだった。そして、バンドは「天気の子」の予告編でも使用されている主題歌の一つ『愛にできることはまだあるかい』も披露。それは、優しさと厳しさを等しく内包した、どこまでも人間的でありながら神秘的でもある壮大なバラードだった。この歌も含めて、「天気の子」の封切りと同時にリリースされる同名のサウンドトラックの全貌が、映画の内容とともにあきらかになる。
RADWIMPSの「ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019」はまだまだ続く。

Text:三宅正一
Photo by Takeshi Yao