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text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)photo:BMW

 

もくじ

ー はじめに 新型車 BMW X7とは?
ー BMW X7のエクステリア
ー BMW X7のインテリア
ー BMW X7のシャシー
ー BMW X7のパワートレイン
ー BMW X7の装備
ー BMW X7の価格/スペック

はじめに 新型車 BMW X7とは?

6月24日、ビー・エム・ダブリューは、スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)の最上級モデルとして、BMW X7を発表して販売を開始した。

そもそもは、乗用車のプラットフォームをベースにロードクリアランスを高めて4WD化し、ワゴン型のボディと組み合わせて、オンロードでもオフロードでも快適に走行でき、使い勝手の高いモデルを「SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」と呼んだ。

だが、BMWではスポーツ性を重視して「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と呼んでいる。ちなみに、X2、X4、X6はそのスタイリングから「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」と呼ばれる。

2000年に初代X5がデビューして以来、X3(2004年)、X6(2008年)、X1(2009年)、X4(2014年)、X2(2018年)とBMWのXシリーズは増殖し、シリーズの最上級ラグジュアリーモデルとして、本国では2018年10月にX7が登場した。

大型高級サルーンに代わるカテゴリーとして注目を集める高級ラグジュアリーSUV。そのマーケットにBMWが投入したX7について詳しく見ていこう。

BMW X7のエクステリア

X7のディメンションは、全長5165mm、全幅2000mm、全高1835mmという、存在感にあふれた堂々たるサイズ。全幅が2mというのは、都会の道や駐車場などでかなり気になるサイズではあるが、先日、日本デビューしたメルセデス・ベンツのGLEもAMGライン装着車の全幅は2mを超えている。

メインマーケットの北米や中国では、ラグジュアリーなモデルではこれくらいのサイズが必要とされるようだし、致し方のないところなのだろうか。

BMWのアイデンティティであるフロントのキドニーグリルは、昨今のBMWスポーツモデルのような横型ではなく、縦型に近い形状となり、SAVらしい屈強な印象を際立たせている。これは、今回同時にマイナーチェンジが発表されたフラッグシップ・セダンの7シリーズにも共通したデザインだ。

グリルの横に繋がるようにレイアウトされたヘッドライトは、地面と水平になるようなフラットでモダンなデザインが採用されている。ボディサイドには、優美かつ印象的な1本のキャラクターラインが刻まれ、クローム加飾が施されたガーニッシュとともに、シンプルかつ上質なデザインに仕上げられている。

続いてフラッグシップSUVの内装を確認しておこう。

BMW X7のインテリア

インテリアのスペースは、3105mmというロングホイールベースによって3列シートが採用されている。しかも、2列目、3列目とも乗員が長時間快適に過ごすことができるラグジュアリー感にあふれる空間となっている。

3列シートは、2-3-2の乗車定員7名のモデルと2-2-2の乗車定員6名のモデルを設定。6人乗りモデルでは、2列目は2席の独立したコンフォートシート(いわゆるキャプテンシート)となり、広々とゼイタクな空間を実現している。X7の6人乗りに乗るなら、特等席は2列目というわけだ。

また、シート地には厳選した牛革を使用したBMWインディビデュアル・メリノ・レザーが標準装備(スタンダードモデルを除く)される。さらに、ATのセレクトレバーやスタート/ストップボタンなどに透明度の高いクリスタルを採用することで、室内空間全体でラグジュアリーさを味わうことができる。

BMW X7のシャシー

(画像・装備には欧州仕様のものが含まれています)

 

サスペンションは、オートマティック・セルフレベリング機構を備えた4輪アダプティブ・エアサスペンションを採用している。

これは、路面状況を各ホイールのセンサーで感知し、本国仕様では車速が一定速度をこえると自動的に車高が20mm下がり、高速走行に適した設定に変更されるというものだ。必要に応じて上下それぞれ40mmの間で車高を自動調整。カメラによって進行方向の路面状況を確認し、サスペンション、ダンパー調整、ロール回避を最適化するエグゼクティブ・ドライブ・プロも採用する。

さらに、荷物の積みおろしなどのために、ラゲッジスペースのスイッチひとつで車高を40mm下げることもできる。

ロングホイールベースの恩恵で、ラゲッジスペースも広大だ。3列目シートを使用したフル乗車時でも326ℓ、3列目のシートバックを倒して5人(もしくは4人)乗車時なら750ℓ、そして2列目シートまで倒せば2人乗車時でも最大で2120ℓまで拡大することができる。

BMW X7のパワートレイン

日本仕様のパワートレインは、3ℓの直6ディーゼルターボと4.4ℓのV8ガソリンツインターボの2種。

35d系に搭載されるディーゼルターボは、最高出力265ps/4000rpm、最大トルク63.2kg-m/2000-2500rpmを発生。低回転域から強大なトルクを発生し、ストレスのない加速と安定したクルージングを実現している。

M50iに搭載されるV8ツインターボは、最高出力530ps/5500-6000rpm、最大トルク76.5kg-m/1800-4600rpmを発生。車両重量が2.5tを超えるヘビー級ながら、0-100km/h加速は4.7秒という圧倒的な加速力を誇り、Mスポーツ・エグゾーストシステムを搭載するなど、よりスポーツ走行性能を高めたモデルとなっている。

組み合わされるトランスミッションは、いずれも8速トルコンATのみ。

BMW X7の装備

X7にはフラッグシップSAVにふさわしく最新のADAS(先進運転支援システム)も採用されている。

高速道路での渋滞時にドライバーをサポートする「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援システム」、35km/h以下での走行時に直近の50m軌跡を記憶し、通った道を自動で後退可能な「リバースアシスト」、さらにBMWとして初めてトラフィックサインアシスト(速度制限認識)機能が搭載されている。

また、AI技術を活用し音声会話だけで車両の操作や情報へのアクセスが可能となる「BMW インテリジェント・パーソナルアシスタント」も設定している。これはドライバーがシステムの名前を自由につけることができ、「OK、BMW」だけでなく「M50」とか、呼びかける言葉を任意に設定することで、愛車がより身近な存在となるだろう。

さらに、車載通信モジュールでドライバー、クルマ、そして取り巻く情報をITネットワークで繋ぐ「BMW コネクテッドドライブ」も標準装備している。

BMW X7の価格/スペック

X7のグレードと日本価格は、下記の通りとなっている。

・xドライブ35d:
1079万円(税8%)/1099万円(税10%)

・xドライブ35dデザイン・ピュア・エクセレンス:
1206万円(税8%)/1229万円(税10%)

・xドライブ35d Mスポーツ:
1242万円(税8%)/1265万円(税10%)

・M50i:
1566万円(税8%)/1595万円(税10%)

全車、右ハンドル仕様。なお、デリバリーの開始は2019年8月以降を予定している。(10月1日以降に配車・登録される車両については、消費税10%の適用が予定されている)

車名BMW X7
グレードxドライブ35dM50i
価格(税8%)/(税10%)1079万円/1099万円1566万円/1595万円
エンジン 2992cc直6ディーゼルターボ 4395ccV8ツインターボ 
ステアリング 右 
全長 5165mm 
全幅 2000mm 
全高 1835mm 
ホイールベース 3105mm 
車両重量 2420kg 2580kg 
最高出力 265ps/4000rpm 530ps/5500-6000rpm 
最大トルク 63.2kg-m/2000-2500rpm 76.5kg-m/1800-4600rpm 
燃料タンク容量 80ℓ -