グループリーグを2位で通過したなでしこジャパン。3大会連続の決勝進出はなるだろうか。(C) Getty Images

写真拡大 (全3枚)

 フランスで開催されている女子ワールドカップは6月23日(日本時間)、いよいよノックアウト方式の決勝トーナメントがスタート。グループリーグを2位通過した「なでしこジャパン」は、果たして3大会連続の決勝へ駒を進め、再び栄冠を手にすることはできるのか。グループリーグの戦いぶりを振り返り、その可能性を探る。

――◆――◆――

 大会前からある程度は予想されていたが、グループリーグでは、ヨーロッパ勢の優勢が、ハッキリと浮き彫りになった。開幕一巡目に登場した欧州勢は、英国ダービー以外の「欧州対その他地域」の7カードで全勝。アルゼンチン戦で3点の大量リードを守り切れなかったスコットランドを除く8チームが、各グループの2位以内で次のステージに進んでいる。
 
 なかでも目を引いたのがグループCで、今大会最大のサプライズを引き起こしたイタリアだった。近年力を付けてきたとは言え、FIFAランキングはまだ15位に過ぎない。当初はオーストラリア(同6位)、ブラジル(同10位)にどこまで迫れるかという見方が多数を占めていた。
 
 それが初戦で、オーストラリアを逆転で仕留めて、大会に名乗りをあげた。2戦目はジャマイカに圧勝し、初戦がフロックでないことを証明。グループリーグ最終戦も、敗れはしたもののブラジルを最少失点に抑えた。その結果、6ポイントでオーストラリア、ブラジルと並んだが、グループリーグ首位の座を堅持した。
 
 日本を含むアジア勢は、タイがアメリカとのゲームで不名誉な大会記録となる13失点を喫するなど、一巡目を未勝利でスタート。最終的には日本、オーストラリア、中国の3か国が、2戦目、3戦目で帳尻を合わせて、ノックアウトラウンドへ進んでいる。
 
 なでしこジャパンは、初戦のアルゼンチン戦から、スコットランド戦、イングランド戦と、試合を重ねるごとに、内容が良化してきた。
 
 大会前から、懸念していたとおり、負傷者がたくさん出たことで、直前に戦術面で連係を高めるトレーニングが不足し、守備に気を遣うあまり、前線の選手が攻撃に回すべき力を消耗し、これが得点力の低下につながっているように見える。
 
 それでも、1勝1敗1分けでのグループ2位突破は、ノックアウトラウンドの組合せでは、それほど悪い結果につながらなかった。
 
 グループリーグから日程面で、最もアドバンテージを得ていたフランスだが、前述したイタリアの快進撃が、その綿密なスケジュールに影響を与えた。楽に勝てるはずのグループリーグ3位国から、対戦相手として回ってきたのはブラジル。世界大会で何度も決勝まで進んでおり、世界大会ではベスト4が最高のフランスより実績面では格上だ。
 
 ここまで、ホームの大歓声に後押しされてきたフランスだが、相手はマリーシアに長けた油断ならない相手。日本が優勝したドイツ大会でも、大観衆のブーイングをどこ吹く風と受け流し、時間稼ぎを繰り返した。女子サッカー界のレジェンド、マルタは全盛期を過ぎたものの、なお健在。楽にベスト16を抜けて、疲労困憊になった相手を叩こうとしていた開催国にとっては、大きな誤算だ。
 
 このブロックには前回女王のアメリカも入ってきた。ファーストラウンドの最終戦でスウェーデンとの全勝対決に臨んだアメリカは、このゲームに負けて開催国と異なるブロックに行くこともできた。すると、初戦が強敵・カナダで、これに勝っても、ベスト8はドイツとの対戦が有力。下手な計算をすることなく、普通にサッカーをしてグループ1位でフランスのブロックに入ってきた。こちらもスペインとの対決となり「開催国が入ったところが死のブロック」という珍現象が起きている。