中島の仕掛ける姿勢は悪くない。ただ……。写真:Getty Images
 戦力的にも、日程的にも苦戦が予想されたウルグアイ戦で、日本は2−2と大健闘。2度リードを奪いながらも追いつかれた点で勝負弱いと批判されるかもしれないが、相手は明らかな格上、しかも開催地がブラジルということも考えれば、十分に価値あるドローだろう。なによりグループリーグ突破に向け、多少なりとも希望が膨らんだのは大きい。
 
 こうした国際大会のグループリーグと決勝トーナメントのテンションは別物。グループリーグ以上に緊張感が漂う決勝トーナメントの戦いには独特の雰囲気があり、それを経験できるだけでも財産になり得る。その意味でも、ベスト8入りの可能性を「勝点1獲得」で高めたことはチームのモチベーションを保つためにも大きかった。
 
 ウルグアイ戦を振り返れば、やはり先制点がきいた。相手の焦りを誘うほどの効果はあまりなかったように見えたが、三好のあのゴールで日本は落ち着いた印象だ。その後、32分にスアレスにPKを決められて1−1に追いつかれても動じず、そこからも比較的冷静に戦えたのは追いかける展開にならなかったからでもあるだろう。
 
 
 この日最大のヒーローは言うまでもなく2ゴールの三好。58分に至近距離から決めたゴールも素晴らしく、この活躍なら海外のクラブから声がかかるのではというインパクトを残した。試合の雰囲気に呑み込まれず、確かな技術と状況判断でふたつの決定機をモノにした彼の活躍は称賛に値した。
 
 ただ、ベテランふたりの奮闘も忘れてはいけない。GKの川島は55分にカバーニとの1対1を阻止するなど守護神らしい活躍を披露した。昨季はフランスのストラスブールでほとんど出番がなく、先のキリンチャレンジカップでも起用されなかったにもかかわらず、いわば“ぶっつけ本番”でハイパフォーマンスを見せられるのは素晴らしい。
 
 岡崎については泥臭いプレーが光った。三好の2点目の時はニアサイドで潰れたり、最前線から巧みなチェイシングで相手のパスを封じたり、その働きはいぶし銀だった。攻撃から守備に切り替わる局面で、ああやって相手に身体を寄せてボールに少し触るだけでも絶大な効果がある。ウルグアイの攻撃をわずか数秒だけでも遅らせたあのアクションは、守る側からすれば非常に助かるのだ。

 その“わずか数秒”があったからこそ、日本はそれなりに耐えられたとの見方もできるのではないか。いずれにしても、岡崎の献身は今回のドローを語るうえで、極めて重要なファクターだ。
 
 川島や岡崎とともにロシア・ワールドカップを戦った柴崎も、タフに戦った。三好の先制点につながったパスが最大のハイライトかもしれないが、そこより着目したいのは中盤での舵取り。同じボランチの板倉が少し安定感を欠くなか良いポジショニングでピンチの芽を摘み取り、攻撃に切り替わった時もシンプルに味方へと預けていた。さすがに試合終盤は疲労の色が見えたが、それでも十分に評価できる仕事ぶりだった。
 
 一方、ネガティブに映ったのが中島だ。仕掛ける姿勢は決して悪くないが、そこまでドリブルに固執する必要があったのか。

 正直、ドリブル一辺倒では怖くない。実際、ウルグアイ戦でも中島が止められるシーンのほうが目立った。敵陣ゴール前でのドリブルならまだいいが、バイタルエリアあたりで奪われるとそこからカウンターを食らう可能性が高まり、守る側としては対応しにくいはず。そういう観点からも、ドリブルにこだわる必要があったのか、となる。
 
 ドリブルはオフェンスの選択肢のひとつに過ぎない。やはりパスも織り交ぜて相手を迷わせないと、いくらドリブルが上手いといってもそれが宝の持ち腐れになる可能性がある。