上半期を締めくくるGI宝塚記念(阪神・芝2200m)が6月23日に行なわれる。

 GI日本ダービー(東京・芝2400m)をはじめ、春のGIシリーズは波乱のレースが続いている。そうした流れからすると、宝塚記念も平穏に収まることはないだろう。

 実際、近年の宝塚記念は荒れ模様。過去5年で、3連単では20万円超えの高配当が3回も出ている。昨年も、7番人気のミッキーロケットが金星を挙げて、2着に10番人気のワーザー、3着に12番人気のノーブルマーズが入って、3連単は49万2560円の高額配当となった。

 ならば、今年も荒れることを想定したい。波乱づくしの上半期の締めくくり、と考えればなおさらだ。そこで、過去10年の結果をヒントにして、高配当を演出する穴馬を導き出してみたいと思う。

 まず注視したいのは、重賞実績が豊富ながら、GIでは力不足と思われている馬だ。

 この穴馬パターンは、宝塚記念では”お決まり”と言っていいほど、その例は非常に多い。2010年に8番人気で優勝したナカヤマフェスタをはじめ、2011年に6番人気で勝利を飾ったアーネストリー、2015年に6番人気で勝ったラブリーデイ、さらには先に触れた昨年の覇者ミッキーロケットら、勝ち馬だけでもこれだけいる。

 他にも、2013年のダノンバラード(5番人気2着)、2014年のカレンミロティック(9番人気2着)、2018年のノーブルマーズ(12番人気3着)なども同様のタイプで、それぞれ重賞勝ちや重賞では好走を繰り返していながらも、「GIで勝ち負けはどうか?」と思われて、伏兵扱いにとどまっていた。

 そして、今年の出走馬を見渡してみると、こうしたパターンに当てはまりそうな馬が今回も複数いた。そこからもう少し絞り込むため、ここではいくつか条件をプラスしたい。

 ひとつは、過去10年で7歳馬が馬券圏内(3着以内)に絡んだのは、昨年のワーザーのみ、という点。外国馬の同馬を例外扱いにすれば、今回は重賞2勝馬ながらタツゴウゲキ(牡7歳)は外れることになる。

 次に、前述した過去の例の中で、重賞勝ちがないのはノーブルマーズだけ。その点を踏まえて、重賞未勝利馬はここでは外したい。

 残ったのは、クリンチャー(牡5歳)とスティッフェリオ(牡5歳)。今年は、これら2頭が狙い目だ。


宝塚記念での大駆けが期待されるスティッフェリオ

 クリンチャーは、海外遠征した昨秋あたりから波に乗れていないが、昨春にGII京都記念(京都・芝2200m)で重賞制覇。一方のスティッフェリオも、昨秋のGIII福島記念(福島・芝2000m)と年明けのGIII小倉大賞典(2月17日/小倉・芝1800m)と重賞を連勝している。

 さすがにメンバーがそろうここでは人気は望めないが、展開次第では上位を争える力を秘めている。過去の例も鑑みれば、一発あっても不思議ではない。

 続いて目に止まったのは、近走で振るわず、人気落ちしたGI馬である。

 たとえば、2015年に11番人気で3着と好走したショウナンパンドラ。同馬は前年のGI秋華賞(京都・芝2000m)を制していたが、その後、掲示板にも乗れないレースが3戦続いて人気が急落していた。

 2017年に5番人気で2着となったゴールドアクターも、GI馬ながら直前のGI天皇賞・春(京都・芝3200m)で7着と惨敗。その結果を受けて、評価を落とした。また、冒頭で触れたワーザーも香港のGI馬だったが、直近のレースで振るわなかったために伏兵扱いとなった。

 2016年に8番人気で戴冠を遂げたマリアライトも、前年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)の勝ち馬だった。同馬の場合、その後も好走を続けていたが、勝ち切れなかったことや、牡馬との力関係を不安視されて人気薄となっていた。

 こうしたタイプで今年浮上するのは、スワーヴリチャード(牡5歳)とマカヒキ(牡6歳)。そのうち、ここまでのGIの波乱傾向を踏まえて、より人気薄になりそうなマカヒキをここでは推したい。

 同馬は2016年のダービーを制しているが、その後、海外の重賞を勝って以降は未勝利。GIではふた桁着順に沈んだこともあって、長いスランプに陥っている。

 それでも、前走のGI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)では4着に奮闘するなど、いまだ能力の一端は示している。ちょっとしたきっかけで、勝ち負けに加わる可能性は十分にある。マカヒキの復活劇に期待したい。

 最後にピックアップしたいのは、牝馬だ。

 とにかくこのレースは牝馬が強く、人気薄の大駆けも目立っている。先述したマリアライトやショウナンパンドラの他に、2014年にはヴィルシーナが8番人気で3着に入線し、2015年にはデニムアンドルビーが10番人気で2着に突っ込んできている。

 牝馬は混合GIに出走すると、牡馬との比較から人気が落ちやすいが、それを跳ね返すシーンが続出しているのだ。

 ということで、今年も紅一点のリスグラシュー(牝5歳)は無視できない。人気になるかもしれないが、押えておくことが重要。それほど、過去のデータは牝馬の好走を示唆しているのだ。 上半期の締めくくり、気分がスカッとするような高配当を手にしたいところ。その手助けをしてくれる馬が、ここに挙げた4頭の中にいてもおかしくない。