現地では、日本の2戦目の相手であるウルグアイの評価が、驚くほど高い(コパ・アメリカ初戦は、エクアドルを4−0で下している)。

 ウルグアイ人記者やブラジル在住の日本人記者いわく……。「ワールドカップで4位になった2010年大会のチームより強いんじゃないか」「今大会の優勝候補は、(開催国の)ブラジルとウルグアイの2チームだ」「(日本が0−4で負けた)チリに対してもウルグアイが2点差をつけて勝つだろう」


柴崎岳は若き日本代表メンバーをどう引っ張っていくのか

 前線に陣取るのは、ルイス・スアレス(バルセロナ)とエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)の世界屈指の2トップ。彼らにはオスカル・タバレス監督も「注文することはない。本当にエリートなストライカーで、重要な選手たちだ」と全幅の信頼を置いている。

 ゴール前を守るのは、アトレティコ・マドリードでもペアを組んでいたディエゴ・ゴディンとホセ・マリア・ヒメネス。コンビネーションと安定感は抜群で、こちらも南米屈指のセンターバックコンビと言っていい。

 だが、現在のチームはそれだけではない。中盤にもタレントが揃っており、それこそが、ウルグアイの評価を高めている要因なのだ。

 中盤の要であるマティアス・ベシーノ(インテル)こそ負傷のために出場が危ぶまれているが、残る3人のセントラルMFも実力者だ。ベシーノのパートナーを務めるルーカス・トレイラ(アーセナル)はボール奪取に優れたボランチで、今季初参戦のプレミアリーグでブレイクした。21歳のロドリゴ・ベンタンクールはこの若さでユベントスの主力を担う大型ボランチ。そして、フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)は司令塔タイプのエレガントなボランチだ。

 サイドアタッカーに関しても、左サイドにはテクニシャンのジョルジアン・デ・アラスカエタ(フラメンゴ)、レフティのガストン・ペレイロ(PSV)、小柄なテクニシャンのニコラス・ロデイロ(シアトル・サウンダーズ)と人材が豊富。最強2トップを支える中盤も南米屈指の陣容なのだ。

 加えて、2006年に2度目の監督就任を果たしてから、13年目に突入したタバレス監督の手腕や、最多15回の優勝を誇るコパ・アメリカとの相性のよさなども、ウルグアイが優勝候補に考えられている理由だろう。

 チリ戦以上に苦戦は必至――。そんな相手に対して、日本はどう戦うのか。

 あらためて確認しておくが、日本は今大会に22歳以下の東京五輪世代の選手18人に、5人のオーバーエイジを加えた陣容で参加している。

 これまでU−22日本代表は2017年12月のチーム立ち上げから、ずっと3−4−2−1を主戦システムにして戦ってきた。しかし、コパ・アメリカ初戦のチリ戦では、初めて4−2−3−1でスタートした。

 それについて、森保一監督は試合後「今回招集した選手を見た時、この形で戦うと選手に伝えた」と、選手の顔ぶれが4−2−3−1にマッチしていたことを理由として語ったが、ウルグアイ戦前日にあらためて「4−3−3のチリにマッチアップさせる狙いもあった」「(将来A代表との融合も見据えて)3バックも4バックも臨機応変にやってもらいたかった」とも語った。

 それでも、個人的にコパ・アメリカでは戦術理解を深めてきた3−4−2−1で臨み、これまで積み重ねてきたものを南米の列強にぶつけてもらいたかったが、森保監督が今大会からチーム作りを次のフェーズへと進めたのは確かだろう。

 チリ戦ではオーバーエイジの選手を3人先発させたが、それについても、「1年後を見据える狙いもあった」と指揮官は言う。

 さて、ウルグアイ戦に向けてだが、試合の前日に「ベースは前回の形で同じような」と語っているため、4−2−3−1で臨むことが濃厚だ。チリ戦で負傷した前田大然(松本山雅FC)は「次の試合には出られない」と森保監督は明言。同じく負傷した原輝綺(サガン鳥栖)は「今日練習に参加しました」と調整が遅れていることを明かした。

「何人かの選手が代わって出場することになると思う」と指揮官は語っているため、スタメンの入れ替えは一部の選手に限られる見込みだ。よって注目のスタメンは、以下のメンバーが予想される。

【GK】大迫敬介(サンフレッチェ広島)
【DF】岩田智輝(大分トリニータ)、植田直通(セルクル・ブルージュ)、冨安健洋(シント・トロイデン)、杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
【MF】柴崎岳(ヘタフェ)、板倉滉(フローニンゲン)、三好康児(横浜F・マリノス)、久保建英(FC東京)、安部裕葵(鹿島アントラーズ)
【FW】岡崎慎司(レスター・シティ)or上田綺世(法政大学)

 ディフェンスラインには原に代わって岩田、中盤は中山雄太(ズウォレ)、中島翔哉(アル・ドゥハイル)、前田に代わって、板倉、三好、安部が入るのではないか。

「どれだけしっかりとした守備で粘り強く対応して、向こうが焦れてきたり、焦る気持ちを持たせたりするのも、ひとつの戦略としてあり得ると思う」

 そう語ったのは、キャプテンの柴崎だ。チリ戦のように序盤15分は前からプレスをかけにいくが、前半なかば以降はブロックを敷きながらカウンターを狙う。両サイドハーフに入る三好や安部の守備、カウンターに出る際の岡崎の抜け出しにも期待したい。

 昨年10月、日本は埼玉でウルグアイを4−3で下したが、その時とはまったく別のチームと対戦することになるだろう。会場となるポルト・アレグレには、すでに隣国から大量のサポーターがやって来ている。チリ戦以上にアウェーの雰囲気のなかで戦うことになるだろう。

 だが、日本の若者たちも、この大一番を楽しみにしている雰囲気がある。

「向こうにはいいチームに所属している選手がたくさんいますが、試合はひとりでやるものではないし、向こうも他に選手がいるので、とくにどこだからとかではなく、11対11の戦いで上回っていければいいと思う」

 そう久保が堂々と語れば、冨安もきっぱりと言った。

「いいストライカーがいて、ビッグクラブでプレーする選手も多いですが、それにビビってやっていたら、勝てるものも勝てない。勝利に結びつけられるように、チリ戦以上にチームとなって戦いたい」

 準備期間が短く、即席チームなのは否定しようもないが、指揮官はあえて相手とのマッチアップが明白なシステムで今大会に臨んでいる。次第に足が止まったり、相手の激しい当たりの前に消極的になったりする姿は見たくない。1対1の局面で粘り強く戦い、今後の成長につながるような戦いを見せてほしい。