肩を落とす日本の選手たち。チリ戦は0-4の完敗となった。(C)Getty Images

写真拡大 (全2枚)

[コパ・アメリカ/グループリーグ第1戦]日本 0-4 チリ/6月17日/エスタジオ・ド・モルンビー
 
 0−4。もっとも日本にとってはスコア以上に重くのしかかるゲームとなった。
 
 ブラジルで開催されているコパ・アメリカに“招待国”として20年ぶり2度目の出場を果たした日本は、6月17日、グループリーグの初戦で大会連覇中の王者チリと対戦。41分に先制を許すと、後半には3失点し、完封負けを喫した。
 
 会場となったエスタジオ・ド・モルンビー(サンパウロのホームスタジアム)のスタンドには空席が目立ったが、公式記録によると観衆は2万3253人。元々約7万人を収容するスタジアムなだけに、見た目より多くの人数が入っていたようで、そのほとんどがチリサポーターだった。
 
 スタジアムが揺れるようなチリの国歌斉唱に始まり、試合前の雰囲気は“完全アウェー”。面を食らった選手も少なくなかったはずで、今回のメンバーは東京五輪世代が中心となる平均年齢22.3歳のフレッシュな顔ぶれだっただけに、なおさらだっただろう。
 
 それでも日本の入りは悪くなかった。最後まで読めなかったシステムは「3-4-3をベースに東京五輪世代のチームは活動してきましたが、原理原則は変わらないという意味でA代表の形でプレーしてもらいました」と森保一監督は説明し、A代表のメインシステムである4-4-2(2トップは縦関係)でスタート。
 
 両SBの原輝綺、杉岡大暉は相手のキーマンであるアレクシス・サンチェスらに粘り強く対応し、攻め込まれたものの、水際では身体を張った。そして攻撃では中島翔哉のドリブル、柴崎岳のパスなど個々の能力を活かして、速攻を仕掛けた。
 
 それでも「向こうは決定的なチャンスを決めてきたのに対し、自分たちはチャンスがありながら決められなかった」と久保建英が振り返ったように、チリは41分にCKからエリク・プルガルが打点の高いヘッドを決め、その後も効率よくゴールを重ねた一方、日本は立て続けに迎えたチャンスを上田綺世がモノにできないなど、無得点。
 
「決定力の差」。選手たちは試合後に口々にそう語ったが、ゲーム運び、球際でのインテンシティの強さを含め、完敗と言えるゲームだった。
 
 それでもフルメンバーのチリに対し、日本は“ほぼ五輪代表”で臨んだというエクスキューズは付けられる。前日会見ではチリ戦でキャプテンマークを巻いた柴崎が、「できればフルメンバーで来たかったというのが率直な感想。でも、それはクラブの関係なので仕方がないです」と吐露する場面もあった。
 
 他グループでは、同じく“招待国”として参加しているカタールが、パラグアイと2-2のドローを演じるなど注目を集めている。それだけに、“俺たちもフルメンバーだったら”と悔しさを感じている選手もいるのではないか。
 
 もっとも、今はないものねだりをしても始まらない。結果は当然大事だが、今大会のチームは五輪代表の強化という大切なテーマも持っているのだから、大事なのは0-4というゲームから、若い選手たちが何を感じ、次に活かすかだ。
 
 2012年のロンドン・オリンピックで優勝を果たしたメキシコは、その1年前のコパ・アメリカに五輪代表を軸としたチームで臨み、3戦全敗で大会を去っている。ただここでの経験が金メダルにつながったと言っても過言ではないだろう。
 
 次戦で相対するウルグアイは、優勝候補に目される強敵だ。初戦のエクアドル戦には4-0で勝利し、勢いに乗っている。さらに日本は中2日で臨まなくてはいけない(ウルグアイは中3日)ため、厳しい戦いが予想される。
 
 それでもチリ戦の敗戦を引きずり、腰の引けた戦いをしてはなんの意味もない。「勇気を持って果敢に戦う」。森保監督が常々語っている姿勢をウルグアイ戦でも実践し、今後につなげられるか。焦点はそこだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)