左サイドから再三チャンスを創出した相馬。守備だけではなく、攻撃参加も認められての選出となった。(C) Getty Images

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 フランスで開催されていた、若手の登竜門・トゥーロン国際大会。東京五輪世代のU-22で臨んだ日本は、史上初となる決勝進出を果たしたものの、王国ブラジルを相手にPK戦の末に敗れ、惜しくも準優勝に終わった。

 大会終了の2日後、同大会の公式サイトで「ベスト11」が発表された。優勝したブラジルからは大会MVPを獲得したダグラス・ルイスら最多6名が選ばれ、日本代表はそれに次ぐ3名がエントリー。椎橋慧也、相馬勇紀、田中碧の名前が挙がった。

 椎橋は所属するベガルタ仙台ではMF登録だが、トゥーロンではCBとしても起用され、今回もCBでの選出だ。PK戦の末にメキシコを破った準決勝では、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれていた。公式サイトの寸評では「船橋生まれのプレーヤーは去年に続いて再びトゥーロンに舞い戻り、才能を示した。守備者として、チームのために常に正しい選択をした」と称えられている。

 また、名古屋グランパスの相馬は今大会で左SBを担当し、幾度となくチャンスを創出した。こちらは「ピッチの左サイドを支配し、その能力をいかんなく発揮して、トーナメントを通して輝いていた。しかも準決勝でのメキシコ戦では、試合を振り出しに戻すゴールもマーク。決勝に進んだチームを力強くサポートした」と評されている。

 最後のひとりが、川崎フロンターレ所属のMF田中だ。世代別の代表に初めて招集された20歳は大舞台で堂々と振る舞い、イングランドに逆転勝利を収めたグループリーグ初戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選出された。ボールを散らす能力、球際の強さを随所で披露した。同サイトも「正確なパスを無二の武器として、日本人MFはサムライブルーにとって重要な選手であり続けた。中盤でボールを奪取する能力も光った」と絶賛する。

 ほかにも、チリ戦でハットトリックを達成してMOMに選出された旗手玲央や、準決勝&決勝と貴重なゴールを決めた小川航基などが活躍。日本は、イングランド、チリ、メキシコといった強豪を次々に破り、決勝ではブラジルを相手に先制されながらも懸命に食らいついてPK戦に持ち込むなど、粘り強さを見せた。

 こうしたU-22日本代表の姿は、鮮烈な印象を残したようだ。大会公式サイトは「日本は11得点を記録し、5試合で3勝、そして史上初のファイナリストとなった。この美しいトーナメントで素晴らしい戦いぶりだった」と評価した。

 フランスの地で掴んだの自信を糧に、来年に迫る東京五輪へ向けて、若武者たちはよりいっそう励むことだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部