柴崎には、若手主体のチームにおいて、経験のある立場で、リーダーとしての役割が求められる。 (C) Getty Images
 ブラジルで開催されているコパ・アメリカに参加している森保ジャパン。初戦のチリ戦を控えて行なわれた前日会見に、森保一監督とともに参加したのは、柴崎岳だった。

 会見の模様を報じた米スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、日本代表の7番が今回のチームにおいて「国際経験が豊かな選手のうちのひとりである」と紹介。そして、柴崎が先日行なわれたアルゼンチン対コロンビア戦を見た感想を語ったと伝えている。

「コパ・アメリカは国際的にも非常に高いレベルで競う大会であると感じました。アルゼンチンとコロンビアの戦いで、改めてその高いインテンシティ―に気づかされた。南米のサッカーのレベルはとても高い。個人的にはロシア・ワールドカップと同じくらいのレベルだと思っています。ここで僕らがどれだけそのレベルにどれだけできるのか、期待もある。僕自身も楽しみです」

 また、今回の日本代表メンバーにおいては、先日レアル・マドリーへの移籍が発表された久保建英も流ちょうなスペイン語を操ることが知られているが、柴崎もスペインでプレーしており、スペイン語に慣れ親しむ機会がほかのメンバーよりも多い。

 今大会では、南米のスペイン語圏の審判が多数起用されるため、「試合ではあなたが審判との“橋渡し”を担当することになるのか?」と外国人記者から質問が飛んだ。これに対して柴崎は少し笑いながら、スペイン語を交えて「もちろん、そうなると思います」と回答したようだ。

 そして、こうも続けた。

「チームを引っ張っていくために、僕がリーダーとしての役割を求められることは今まであまりなかったことです。僕自身、この2年間、スペインでのリーグ戦で多くの試合に出場しているわけではないので、自分の力をこういったレベルの大会で証明したい。

 ただ、チームには若くて優秀な選手がたくさんいる。大舞台での経験が不足している年代にとっては、こうしたレベルの大会で困ることもあるでしょうし、そういったところをピッチ内外で経験のある選手が補って、サポートしていきたい。今回は僕も含め、非常にいい経験になると思います」

 初戦で対峙するチリは、大会連覇を果たし、3連覇を狙うべく意気込んでいる。東京五輪世代が中心となる若いチームをリードし、サポートする立場になる柴崎岳の奮闘ぶりにも期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部