コパ・アメリカでのチリとの初戦を控えた日本。果たしてどういったゲームを見せるのか。(C)SOCCER DIGEST

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 日本が“招待国”として1999年以来、2度目の出場を果たすコパ・アメリカで、初戦の相手となるのが大会2連覇中の王者・チリだ。
 
 2015年、そして100周年の記念大会(センテナリオ)となった2016年を制しているチャンピオンはしかし、昨年のロシア・ワールドカップ出場を逃すなどチーム状況は芳しくない。特に不安視されるのが、所属するマンチェスター・Uで大不振に陥り、足首の怪我で今大会の出場も危ぶまれたエースのアレクシス・サンチェスのコンディションだ。
 
 この点取り屋が本調子でないという情報は、日本にとって朗報だろう。現にレイナルド・ルエダ監督はサンチェスの先発起用を明言しているが、フル出場は難しいとの考えも示している。日本としては組織的な守備で、このストライカーから自由を奪い、仕事をさせないまま交代へと追い込みたいところだ。
 
 また日本が警戒すべきなのが、チリのシンボル的存在である中盤の要アルトゥール・ビダルである。ドイツのブンデスリーガで対戦経験のある伊藤達哉は「他の選手とスライディングの深さが違った」と語っており、激しい守備から相手ゴール前へと侵入するダイナミックな動きは脅威だ。このチリのキーマンの推進力を封じなければ、非常に苦しい戦いを強いられるだろう。
 
 チリのシステムは4-3-3か。そのなかで、左にサンチェス、中央にエドゥアルド・バルガス、右にホセ・ペドロ・フエンサリーダで組みそうな相手の3トップに対し、3-4-2-1が想定される日本は、3バックとウイングバックでどう対応するのか注目だ。また相手のパスの配給元であるアンカーのエリク・プルガルを潰す必要もある。
 
 一方、攻撃面では三好康児が「チリは個々の選手の能力は高い。球際も強い。ただ、相手はボールに強く来るので、そこを剥がせれば裏にスペースはあるはず。少ないタッチ数で剥がしてゴールに向かいたい」とイメージを語る。屈強なチリ守備陣に捕まる前に素早くパスを回して展開する、もしくはシンプルな素早い攻めでフィニッシュに持ち込めば、チャンスを作れるかもしれない。
 
 そのなかでキーマンになりそうなのが、俊足FWの前田大然だ。本人は「誰かが背後に抜ける動きをしないといけない。全員が足もとで受けてしまうと相手に狙われるので、もしボールが来なくても味方を活かすために走りたいです」と語る。
 
 恐らくチリに押し込まれる展開が予想されるなか、手堅く守りつつ、素早くカウンターを狙う。これが日本にとっての必勝プランと言えるだろう。
 
 森保一監督も「チャレンジ精神を持って勇敢に戦い抜きたい。最低でも勝点1を拾っていけるように粘り強く戦いたいです」とコメント。チリ、ウルグアイ、エクアドルと同組となったグループリーグで3位に入れば、他グループとの成績の差で決勝トーナメントに進出できる可能性がある。それだけに初戦で王者を相手に、勝点1でも得られれば、悪くないスタートと言えるのだろう。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)