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 人の輪の中心にいることが多い人と孤立してしまう人、相手から話しかけられる人が多い人とそうでない人、いったい何が違うのか? 筆者はそれらの人の言動を分解して調べたことがある。

◆話の飛躍や言葉足らずが相手を苛立たせる

 その結果、とかく、流ちょうに話ができるかどうかが関係していると思われがちだが、実はそのことは関係がないことがわかった。むしろ関係しているのは、話が飛躍していない、言葉足らずではないということだ。

 たとえば、ビジネスシーンでは、次のような会話がよく行われる。

【パターンA】

課長:「依頼した書類は作成できていますか?」

部下:「机の上に置いてあります」

 いったいこの会話のどこが問題なのかと思う人も多いに違いない。しかし、もうひとつの会話と比べてみると、気がつくことがあるかもしれない。

【パターンB】

課長:「依頼した書類はできていますか?」

部下:「はい、できています。ご不在だったので、机の上に置かせていただきました」

 パターンBは、課長の質問に対して、「はい、できています」とそのまま、ストレートに返答している。ところが、パターンAでは、課長の「作成できていますか?」という質問に対する返答を省略しているのだ。

◆「言葉足らず」が続くと悪印象に

 パターンAの返答を受けた課長に印象を聞いてみると、自分の質問に答えてくれていないので、違和感を覚えたり、ストレスを感じたという。

 話が飛躍している例だ。それが積み重なってくると、無意識のうちに、話しかける頻度が低下したり、近寄りたくなくなるという感情が湧き上がってくる

 加えて、パターンAでは、「机の上に置いてあります」とだけ返答しているが、パターンBでは、「(課長が)ご不在だったので」という理由を先に伝えている。

「机の上に置いてあります」とだけ返答された課長は、「なんで置いたのだろう」「言ってくれればよいのに」という気持ちが湧き上がり、心が泡立つ。言葉足らずの例だ。それが繰り返されると、あまり対話したくない、近づきたくないという意識になってしまう。

◆BIGPRを省略せず、相手を安心させる

 このように申し上げると、「机の上に置いてあるということは、作成できているということなので、わざわざ言う必要はないのではないか」「課長が不在だったことは、当の課長がわかっているはずなので、わざわざ言うとくどいのではないか」「課長は忙しいので、手短に結論だけ言えと言われているので、そうした」という声が返ってくる。

 しかし、課長側に聞いてみると、「自分の答えにストレートに返答してくれないと、まずは苛立つ。その後で、自分が不在だったから机の上に置いたのだなというように思いを巡らすことができるが、苛立ちの気持ちは残る」という。

 このように、違和感やストレスを与えて、心が泡たち、苛立ちの気持ちを上司に与えてしまうことは、部下にとって損なことだ。

 だとすれば、話を飛躍させず、言葉足らずにならないように会話をすればよいことになる。なにも長い時間を要するわけではない。パターンBでも、パターンAに対して、ほんの数秒、時間を要するだけだ。

 相手に違和感を与えないことは、最初が感じだ。最初にストレスを与えてしまうと、その後の会話全てに影響してしまう。話の最初に実施すると相手を巻き込みやすくなるBIGPRを、省略しないほうがよい理由は、そこにある。

◆会話冒頭での再確認が重要

質問:相手が知っている内容でも冒頭で伝えなければならないか?

 BIGPRの内容の全てや一部を、相手が承知している場合でも、会話の冒頭で伝える必要があるでしょうか? 相手が知っていることを話して、逆に、「そんなことは知っている」と思われて、相手を苛立たせるのではないでしょうか?