強烈なミドルを蹴り込むアリ。アジア王者カタールの誇る大エースが、コパ・アメリカの檜舞台でも輝きを放った。(C)Getty Images

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 現地時間6月16日、ブラジルで開催されているコパ・アメリカは大会3日目を迎え、日本とともに招待されているアジア王者、カタールが強豪パラグアイの牙城に挑んだ。
 
 前半4分にPKで先制されると、ボール支配やパスワークで相手を揺さぶるも、なかなか突破口を見出せない時間帯が続く。老獪なパラグアイ守備陣に手を焼いていると、56分には追加点を奪われ、2点のリードを許す厳しい展開に。だが、ここから“カタール劇場”の幕が上がる。
 
 68分、アジアカップで得点王に輝き、日本との決勝で豪快なバイシクルを決めたアルモエズ・アリが魅せる。左サイドから中央へ切れ込み、ゴール前20メートルの位置から右足を一閃! 鋭いフックのかかったコントロールショットで、ゴール右隅に突き刺した。さらにカタールは77分、流れるようなパスワークからパラグアイ守備の中央を突き破り、最後はブアッラーム・フーヒーが同点弾をねじ込んだ。
 
 スタミナ切れのパラグアイに対して、不屈の闘志で怒涛の攻勢を仕掛けたカタール。惜しくも逆転ゴールまでは奪えなかったが、貴重な1ポイントをゲットした。

 
 終盤の鮮烈な2ゴールを、世界のメディアが称えている。

 イタリア全国紙『Gazzetta dello Sport』は「(アリによる)驚異的なゴラッソが飛び出した。カタールは(枠内)シュート4本で2点をもぎ取ったのだ」と速報し、米スポーツネットワーク『Fox Sports』は「3年後のワールドカップ・ホスト国が南米を驚かせた」と伝えた。さらにブラジルの最大ネットワーク『Globo』は「カタールは侮れないゲストであることを証明した。彼らはパラグアイの綻びを見逃さなかった」と評している。
 
 カタールはグループCでコロンビア、アルゼンチン、パラグアイと同居。次なる第2戦の相手は、第1戦でアルゼンチンを2−0で撃破したコロンビアだ。はたしてパラグアイを凌ぐ強国を相手に、今度はいかなるパフォーマンスを見せるのか。大注目である。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部