【子どものお金事件簿】貯めるばかりで使わない子はかえって問題!? 貯金上手と思っていたら…

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お金は大切!だから子供たちにも「よく考えて無駄遣いしないようにしましょう」「貯金も必要よ」など伝える親は多いでしょう。

「貯金しなさい」はNGワード!? “稼ぐ子”に育てるために、親が注意したいこと

でも使わないことが良いことのように捉えてしまうと問題になる場合も出てきます。

一見、貯めていくならお金が足りなくなって困るわけではないので、何が良くないのだろうと思う人もいるかもしれません。使わないことの問題は認識されにくいのです。

お金は貯めておくことより上手に使えるようになることが重要。

そのことをお伝えするために、今日は使いたがらない子の起こしたエピソードとその対応についてご紹介したいと思います。

貯めるの大好き!な息子が欲しいものを手にいれるためにしていたこと

筆者の二人の息子のうち、兄の方は貯めること自体が大好きでお金を使いたがらないタイプ。

自分のおこづかいを使う機会が少なく、欲しいものがあってもしばらく考えて買うのをやめてしまうので、欲しくても我慢する子なのねと思っていました。

ところがある日、弟とのやり取りをふと耳にしてびっくり!いろいろ理由を並べては自分の欲しかったものを弟に買わせたうえで、自分で使おうとしていたのです。

思えば友達と遊んでいる時にも、友達の買ったお菓子をわけてもらうばかりで自分で買おうとはしない。もしかしたらこれは自分のお金は使わずに、他の人のお金で手にいれることばかり考えているのかもと思ったりもしました。

それは後々はトラブルにもつながりかねませんよね。

自分のものは自分のお金で手にいれることをしっかり伝えなければと焦りました。

自分のおこづかいを使いたがらなかった理由とその後の解決策

1人目の子ということもあって、小さなころからおこづかいについてもしっかり教えてきましたが、思えば「足りなくならないよう使うのは慎重に」ということばかり強調しすぎていました。

そのため使うと無くなってしまう、足らなくならないよう貯めておかなきゃという意識が強かったために、おこづかいをもらっても使わない・使わずに済むようにとしていたようです。

そこでどのようにしたかというと、渡しているおこづかいの中で十分買えるような少額のもので、且つ無いと困る学習に必須な文房具を自分で買うことにさせました。

はじめのうちはお金を払うのを嫌がりましたが、文房具を買ってもまだ十分におこづかいは残っています。

使わないのではなく、きちんと考えながら使えば足りなくなることはないんだということをまずは知ってもらうようにしたのです。

自分で支払うようになり、使う機会が増えてくると、お金の使い方についてよく考えるようになりました。

今では先の予定も確認してどこにいくら使うか考える「予算立て」もできるようになっています。

お金を使い過ぎる子の場合、足りなくなった経験から次は「使い方」に気をつけようと思えます。

しかしお金を使いたがらない子は「使い方」を学ぶ機会自体が減ってしまいますよね。

お金を貯めるのも、その先に使う目的があってのこと。上手な「使い方」を身につけるために、あえて使う機会を持たせることも必要になるかもしれませんね。

柴田千青
キッズ・マネー・ステーション認定講師。1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP ®。出産退職を機にメーカーの技術職からファイナンシャルプランナーに転身。金銭教育を中心に、ワークショップやセミナー講師や執筆を行っている二児の母。