清水氏が選んだコパ・アメリカのスタメン。久保、伊藤、安部、上田あたりは、交代出場で使われるのではないか。(C)SOCCER DIGEST

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 南米の強豪とガチンコでぶつかるコパ・アメリカ。日本がグループステージで対戦するのは、チリ、ウルグアイ、エクアドルと曲者揃いだ。東京五輪世代中心のメンバーで挑む森保ジャパンに勝機はあるのか。日本代表をつぶさに取材する識者に、コパ・アメリカのスタメンを選んでもらった。
 
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 コパ・アメリカのメンバーやシステム選択は、今大会の結果と、東京五輪に向けた成長の両方を考慮する必要がある。
 
 システムについては使い分けを前提としつつ、ベースは3バックと予想した。3−4−2−1はU−22世代では慣れたシステムだ。この戦術をコパ・アメリカでぶつけ、何が起きるのかを経験させたい意図はあるはず。また、先日のキリンチャレンジカップではA代表も3−4−2−1を導入したが、その背景には中島翔哉や柴崎岳といったオーバーエイジ候補の順応をスムーズにすることが、目的のひとつにあったのではないか。A代表で3バックを試行錯誤したことが、U−22への融合の触媒としても働く。
 

 このチームが本番を迎える東京五輪は、サッカーに適さない高温多湿の気候で戦うことが予想される。運動量とゲームテンポを抑えて戦うなら、3バック系のシステムで、時に5トップ、時に5バックと攻守にメリハリをつけ、リズムをコントロールしながら戦うスタイルが理にかなう。東京五輪を見据えるなら、3−4−2−1を継続する可能性は高いだろう。
 
 一方で、今回のコパ・アメリカに関しては、6月のブラジルは冬にあたるため、快適な気候でプレーできる。さらに日本は格下と目されているため、気候的にも力関係的にも、序盤から相手にインテンシティーの高い試合を仕掛けられるのではないか。その場合、3−4−2−1が、5バック化したまま、防戦一方になる恐れはある。
 
 そうした展開で、カギを握るのは誰か。奪ったボールを敵陣へ持ち運び、味方の押し上げを待てる選手が必要だ。たとえば、前田大然がスピードを生かしてサイド裏へ飛び出し、キープするか。あるいは中島翔哉がドリブルでグイグイ持ち運ぶか。少なくもゲームが落ち着き、均衡が取れるまで、この辺りは重要なプレーになりそうだ。
 
 そして3−4−2−1を使う場合、前線は3人しか起用できないため、三好康児と久保建英のどちらかをチョイスする必要がある。
 
 これは何となくだが、森保一監督は久保をベンチスタートとするのではないか。今の久保フィーバーが起きている状況で、U−22の主力を担ってきた三好を、いきなりスタメンから外せば、チームに不健康な空気が流れるのは想像に難くない。レアル・マドリード入りが発表された久保は、対戦相手からも最注目ターゲットになっているので、あえて森保監督はそこを外しそうな気はする。久保をスタメン起用するとしたら、2戦目、3戦目を考えているのではないか。
 
 もうひとつ、興味を惹かれるのは、安部裕葵と伊藤達哉の起用だ。
 
 キリンチャレンジカップ2試合では、ウイングハーフの個性を使い分けて戦った。トリニダード・トバゴ戦は長友佑都と酒井宏樹で、サイドバック寄りのウイングハーフ。エルサルバドル戦は原口元気と伊東純也で、攻撃型ウイングハーフを並べた。
 

 U−22のウイングハーフは、守備型あるいはバランス型であり、原口や伊東のような攻撃的ウイングハーフのオプションは乏しい。そこに、安部や伊藤はどうか。90分はイメージしづらくても、ビハインドを追う状況ではジョーカー候補になる。中央に起点が作れそうなら、久保を入れてもいいし、さまざまなオプションは考えられる。
 
 いずれにせよ、最初が肝心だ。
 
 コパ・アメリカに参加する目的のひとつは、南米勢との試合を経験することだが、選手がそのような様子見の気持ちで臨めば、あっという間に飲み込まれてしまう。ハイテンションのスタートを期待したい。
 
取材・文●清水英斗(サッカーライター)