<宮里藍 サントリーレディス 最終日◇16日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6511ヤード・パー72>
左足首、左ヒザに不安を抱えながら、鈴木愛が1打差で通算11勝目をつかんだ。約27ホールを戦った長丁場の最終日に、トータル12アンダーまで伸ばし、トータル11アンダーの比嘉真美子ら後続を押さえ込んだ。
27ホールを戦い抜き…鈴木愛、スマイル爆発!【LIVEフォト】
「最後のハーフにかけよう」。試合は、こんな思惑通りの展開になった。前日のサスペンデッドの影響で、午前6時58分に第3ラウンドの9番途中から再スタートした鈴木。トップで迎えた最終ラウンドだったが、5番でボギーを喫するなど、なかなかバーディが奪えない滑り出しとなった。
一時は穴井詩、ユン・チェヨン(韓国)にトップの座を譲った。しかし8番でこの日初バーディを奪うと、再びリーダーボード最上位へ。「(イ・)ミニョンのショットがよかったし、周りも伸ばしている」というプレッシャーがかかるなか、“勝負所のラスト9ホール”に入った。
13番で残り160ヤードのセカンドショットを6番アイアンでピン20cmにつけバーディを奪うと、「ここで(バーディを)獲れたのが大きかった」と流れに乗った。15番で4m、17番で3.5mを沈め2打リードで18番へ。ここはボギーとしたものの、3月の「ヨコハマタイヤ PRGRレディス」に続く今季2勝目となった。
「ヤマハレディース葛城」で痛めた左足首や、左ヒザの不安は大会中消えることはなく、常に不安と隣り合わせ。3日目を終えた時には「1ラウンド半もつかな…」というのが一番の心配だった。実際にこの日も、ホールを重ねるごとに状態が悪化。終盤には「(足が)痛い…」と何度もキャディにこぼすなど、満身創痍のなか歯を食いしばってプレーを続けた。前日2時間、この日も午前3時に起床後から計1時間ほどの入念なケアを施し、“ギリギリ”18ホールを完走。ずっと隣で励まし続けてくれたキャディへの感謝の言葉も口にした。
表彰式では、「ゴルフを始めたきっかけ」にもなり、憧れ続けた宮里藍と一緒にトロフィーを掲げ、ハグのご褒美も。「これまであまり交流はなかったのですが、(宮里の)冠大会で勝てたのは光栄。自分でもビックリしています」と笑顔を見せた。「ハグもうれしかったし…誰か(一緒に写っている)写真ください!(笑)」。報道陣にそんな“おねだり”をするほどの喜びだった。
この優勝で1800万円を加算し、賞金ランクも4位に浮上。2試合後の「アース・モンダミンカップ」(6月27〜30日)終了時の賞金ランク5位以内、もしくは7月2日付けの世界ランキングで30位以内(鈴木は現在28位)に与えられる「全英AIG女子オープン」出場権に大きく近づいた。開幕前に、「どうしても全英には出たいので、この3試合で1勝はしたい」と打ち立てた宣言も、すぐに達成した。
今季初勝利後「ショットもパットも悪くないのに、かみ合わない」と苦しんだ時期もあったが、これも払拭。「年下とか、ほかの選手に負けているようではダメ。そんな気持ちも芽生えてきました」。
今季は河本結、勝みなみ、渋野日向子、原英莉花ら1998年度生まれの黄金世代が15試合中5勝(勝は2勝)をマーク。“黄金世代旋風”が巻き起こる女子ツアーにおいて、元賞金女王が若手の壁となるべく、今後も勝利を積み重ねていく。(文・間宮輝憲)
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