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期間を定めた断食やカロリー制限は、食べる時間をコントロールすることによってダイエット効果が期待できるとされています。海外メディアのThe Conversationが、時間に基づいた食事制限・低カロリー食ダイエットのさまざまなパターンについて解説しています。

Intermittent fasting: what's the best method?

https://theconversation.com/intermittent-fasting-whats-the-best-method-118212

◆1:「5:2ダイエット」

低カロリー食ダイエットの中でも人気が高い5:2ダイエットとは、1週間のうち5日は普通の食事を摂り、2日は500kcal以下の非常に低カロリーな食事制限を課すというもの。研究によると、5:2ダイエットには血糖値やコレステロール値を改善し、実際にダイエット効果がある可能性が示唆されています。

また、2日にわたって非常に低いカロリー摂取を行うことで、2型糖尿病のリスクマーカーでもあるインスリンの感受性が改善されるという研究結果もあります。さらに5:2ダイエットの利点として、低カロリー摂取日もある程度の食事を摂って大丈夫という点が挙げられます。これにより、カロリーを抑制するダイエット中に不足しがちなタンパク質をはじめとする栄養素を補うことができ、長期的に見て筋肉の減少などのダイエットに伴うデメリットを抑えられるとのこと。



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◆2:「隔日での低カロリーダイエット(ADFダイエット)」

5:2ダイエットは最小のスパンでも1週間であり、ライフスタイルとしてダイエットを継続していく必要があります。その一方で、1日おきに低カロリー日を設けるADFダイエットは比較的速やかに体重が減らせると考えられており、手っ取り早く結果が欲しい人に好まれているそうです。

ADFダイエットも5:2ダイエットと同様、断食日にも500kcal未満の食事を摂ることが多くの場合で推奨されています。ADFダイエットについての研究では、8〜12週間でかなりの体重減少が期待できるという結果が出ている一方で、長期的に見ると次第に効果が減っていくという問題点が確認されました。



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◆3:時間制限摂食法(TRE)

断食やカロリー制限という手段とは別に、1日のうちで食事する時間帯を短く設定する時間制限摂食法(TRE)というものがあります。TREを採用した摂食スケジュールでは、24時間のうち連続して16時間は断食状態を維持し、残りの8時間で一日分の食事を行うというスタイルが一般的です。TREを実践する人の多くは、朝起きてすぐに朝食を摂らず、12時から20時までの8時間中に食事を行っています。

確かに朝食を抜けばその分のカロリー摂取量が減ることから、よく耳にする「朝食を抜くと太りやすくなる」という説は間違いだと判明しています。その一方で、朝食を抜くとその分だけ体を動かさなくなって結果的にカロリー抑制の意味がなくなったり、昼食後に分泌されるインスリンの効果が弱まったりすることも示唆されており、朝食を抜くのはあまりオススメできないとThe Conversationは指摘。

しかし近年の研究から、朝食をしっかり食べて14時以降に絶食することで、糖尿病になりかけている男性のインスリン感受性が改善することも判明したとのこと。これは朝の血糖値に応じて体の調節機能を増強する働きによるもので、時間制限を設けるダイエットをする場合は朝から昼にかけてしっかりと食事をし、夕方から絶食することがオススメだそうです。



by Stas Knop

The Conversationはこれらのダイエットについて、他のダイエットと同様に継続することが重要だと指摘しています。たとえばADFダイエットは急速に体重を減らす可能性がありますが、隔日の低カロリー食を継続する困難さを考慮すると、5:2ダイエットの方が長期的には効果があるかもしれないとまとめられています。