20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内のインターネット関連事業を行なう会社で派遣社員として働いている沢田遥香さん(仮名・35歳)。肩まである髪は少し明るく、真っ直ぐでクセはないものの、少し傷んでいるよう。服装はタイトなVネックのTシャツに、シフォン素材のストラップワンピースを合わせており、グラマーな胸元に目線がいってしまいます。しかし、バッグはカジュアルブランドのトート、足元は白のスニーカーと、色っぽい雰囲気とはややアンバランスさを感じました。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は埼玉県で、4歳上に姉のいる4人家族です。私は大学の時に家を出たんですが、それまではずっと母親と不仲でした。大きな発端があったわけじゃないんですが、小さい頃から優秀だった姉と比べられて育ち、姉がいい高校に入学してからは顕著で姉にベッタリで、私を無視状態。小学校の時はまだ私の勉強を見てくれたり、塾に入れられたりしたんですが、中学に入ったぐらいから私の成績にというか、私自身に興味がなくなった気がします。父親は単身赴任でその頃から家にはいなくて。家にずっと居場所がないと思っていました。今ももう10年以上実家には帰っていません」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「高校生の時に、アルバイト先で仲の良かった同い年の男の子と付き合いました。彼は別の高校に通っていて、アルバイト先はファミレスだったんですが、少し駅から遠い場所にあり何度か一緒に帰って仲良くなった感じです。でも彼とは2か月ぐらいで別れました。彼がいきなりバイト先に来なくなって、そのままフェードアウトしたんです。たとえアルバイトだとしても責任感のない姿に一瞬で冷めましたね。その後一度だけ彼からメールが来たんですが、無視しました。『今まで連絡せずにごめん』みたいな内容だった気がしますが、私に謝る前にバイト先に謝れって思った記憶が残っています」

遥香さんは高校を卒業すると同時に都内の大学へ進学。大学は家から通える距離だったものの、バイト先で出会った同じ大学に通う女の先輩とルームシェアを始めます。

「実家から大学までは1時間ちょっとぐらいだったんですが、一人暮らしは反対されませんでした。家はそこそこ裕福だったこともあるんでしょうが、その時には1浪していた姉がまだ大学生で実家から通っていて、私は姉とさえ会話がなくなっていたから邪魔だったんじゃないかな。新居は同じアルバイト先で知り合った、2歳上の同じ大学に通う女の先輩とルームシェアをしました。彼女は自分のお金なら一人暮らしを始めていいと親から言われていたみたいで、お互いの利害が一致したんです。でも、このルームシェアは最初にザックリしたルールしか決めず、散々な結果になりましたけどね」

男性を家に連れ込まれたことで、男友達の家に避難した

お金関係の話は前もって決めたそうですが、同居を開始した頃は2人ともフリーだったこともあり、異性関係については何も決めていなかったそうで……。

「彼女に彼氏ができてからが地獄でしたよ。家が大学に近いところだったので、まぁ彼氏が遊びに来る。しかも私は興味ないと言っているのに、彼の友人が私のことを気に入ったとかで家によく遊びに来て……。家は間切りできて一応2部屋あったんですが、私の部屋を通らないと彼女の部屋に行けないから、寝顔や部屋着を見られる毎日。そんなこともあって、逃げるように仲良くなった男友達の家に入り浸るようになりました。彼は同じ学部で意気投合した人で、その先輩の彼の友人がしつこい時には彼氏役をしてもらっていたんです」

その後、なし崩し的にその男友達と付き合うようになり、同棲が始まります。

「彼女とはちゃんと話し合いをして家を出たので揉めることはなかったですが、家を出てから一切お互い連絡はしていません。今思い出してもムカムカしますから。

彼とは付き合おうという話は一切なく、いつの間にか男女関係になり、私が一人暮らしをしようとしていたら『一緒に住む?』と誘われて、という感じです。好きかと言われたらよくわかりませんが、情みたいなものはありました。付き合う前から一番一緒にいる人だったから。だから最初に彼の浮気がわかった時には、裏切られた感情が強く残ってしまって」

居候と同棲の違いは一切感じず。彼への感情も最初は友人の延長だと思っていた。

彼の浮気への報復として浮気をした遥香さん。しかし、その時に芽生えた感情は彼への強い愛情で……。〜その2〜に続きます。