金魚の透明写真栞(しおり)について、フォトグラファーの安堂真季さんに取材した。

ページを金魚が泳いでいるような栞

フォトグラファーの安堂真季さん(@wachiko218)の作品「透明写真栞」が、ネット上などで注目を集めている。

安堂さんが撮影した写真を印刷した、文庫本より少し小さなサイズの透明の栞。

まるでページの上を金魚が泳いでいるようで、本を開くのがいちだんと楽しくなりそう。涼しげで、これからの季節にぴったりだ。

提供:安堂真季さん

提供:安堂真季さん

提供:安堂真季さん

ネット上に「とても素敵」「美しい」「夏がちょっと涼しく、楽しくなりそう」「粋」「一目ぼれした」「優しい気持ちになれますね」など多くのコメントが寄せられている。

現在、金魚の透明写真栞は販売している「とほん」の通販サイトで品切れ。追加入荷予定はあるが注文殺到が予想されるので、追加入荷分は抽選販売するという。

「もっと大きな写真を楽しんでもらおう」と作成

涼しげな栞について、フォトグラファーの安堂真季さんに話を聞いた。

--この栞は、どのような経緯で発案したのですか?

栞展という企画展に2016年から毎年参加しているのですが、2017年に一般的なサイズの透明栞を販売した際に、お客様から「本の中を泳いでいるみたい」と素敵なお言葉をいただき、とても印象に残っていました。

翌年の2018年に、“どうせなら もっと大きくした写真を楽しんでもらおう!”と思い、文庫本サイズの栞を作成してみました。

後々に友人に聞くと「普通サイズの栞だと よく失くしてしまう」と聞いて、考えてもなかったところにこの栞の利点があることに驚きました。

--制作にあたって、こだわった点は?

文庫本に挟んだままで違和感ない程度の”しなり”ができる厚みであるかどうか、手に取りやすい価格帯であるかどうかです。

提供:安堂真季さん

会社員兼フォトグラファーとして活動

安堂さんは、平日の昼間は会社員として働いており、帰宅後と休日にカメラマンとしての仕事をこなしているという。

--作家としての活動を始めた経緯は?

もともと趣味で写真をしていたのですが、 奈良県大和郡山市で展示をする機会がありました。

その際に展示会場付近を紹介するために金魚を撮った写真が意外と好評で、そのまま金魚を撮り続けていたら作家活動することになっていました。

提供:安堂真季さん

--金魚が題材の作品を制作している理由は?

金魚にももちろん魅力を感じているのですが、撮影拠点として訪れる大和郡山の雰囲気や地元の方たちが好きで、大和郡山に行く理由を作るために金魚を撮っています。

今となっては、すっかり金魚の不思議な魅力にハマッてしまっていますがね。

--金魚にどのような魅力を感じているのですか?

金魚自体の魅力としては、身体を捻った際の曲線・“ひれ”がしなる様子・たまに見せる感情的な表情に被写体として惹かれていて、そういう金魚の姿を映してお見せすることを目的としています。

提供:安堂真季さん

写真をもっと身近に“置いて”ほしい

--これまでに制作された他の作品をご紹介いただけますか?

【缶ミラー】

写真を元にした、手のひらサイズの76ミリコンパクトミラー。

鞄に入れて携帯しやすいように、ソフトケース半透明のソフトケースに入ってます。

提供:安堂真季さん

【卓上カレンダー】

撮影した金魚たちの中から季節の雰囲気に合うものを選びました。

透明ケース入りのハガキサイズ卓上カレンダーです。

提供:安堂真季さん

【写真作品】

アップで金魚のみを撮る場合は、普段なかなか見ることの出来ない金魚の表情だったり、一瞬の動きの美しさに着目して撮るように心掛けています。

遠めで撮る場合は、生活の上で人と金魚が関わるシーンを捉えることを大事にしています。

提供:安堂真季さん

提供:安堂真季さん

--制作に込める思いを教えてください。

世の中に写真というものは溢れていて、だけど、いいものが溢れ過ぎている故に流れていってしまっているような気がします。

PCや携帯電話の中で見るだけでなく“写真をもっと身近に置いてほしい”、という気持ちが常にあって、それを軸に、できるだけ“触れることができる”制作をしています。

主役でなく、邪魔することのない寄り添えるものを作りたい、という気持ちが強くあります。