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テキサス州・ヒューストンの写真家であるジム・オリーブ氏は、「自分の写真が無許可で大学に使われている」として大学側に補償を求める訴えを起こしていました。ところが裁判所はオリーブ氏の訴えを退け、「大学がオリーブ氏に補償をする必要はない」と判決したと報じられています。

UNIVERSITY OF HOUSTON SYSTEM, Appellant V. JIM OLIVE PHOTOGRAPHY, D/B/A PHOTOLIVE, Appellee Opinion issued

(PDFファイル)http://www.search.txcourts.gov/SearchMedia.aspx?MediaVersionID=81afd9fc-c724-4626-856d-db960fc06ae4

Texas court says photographer has no recourse against university copyright infringement - HoustonChronicle.com

https://www.houstonchronicle.com/business/article/Texas-court-says-photographer-has-no-recourse-13973674.php



オリーブ氏は飛行するヘリコプターのドアを開けて撮影した、困難で危険な航空写真によってキャリアを築いてきた写真家です。ある時、オリーブ氏は自身の撮影した写真が、許可した覚えもないのにテキサス州の州立大学であるヒューストン大学によって、印刷物やウェブページに使用されていることを発見しました。

写真のような知的財産を所有者の許可を得ずに、適切な補償もなく無断で使用することは違法な侵害だとオリーブ氏は主張。テキサス州の憲法によれば、政府機関が個人の財産である家や土地を取り上げて道路や橋を建設する際、所有者に対しては正当な補償が支払われるべきだとされています。公立大学や公立病院も政府機関に含まれるため、オリーブ氏はヒューストン大学を含めた4つの州立大学からなるヒューストン大学機構に補償を求めたとのこと。

ところがその主張が聞き入れられなかったため、オリーブ氏はヒューストン大学機構を相手取って2017年に訴訟を起こしました。これに対してヒューストン大学機構は、自身が政府の下部組織であり、公的機関の免責特権のため訴訟自体が無効であると主張。この裁判は、直接訴訟には関係のないクリエイター界隈からも注目を集めていました。



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2018年、ヒューストン大学機構の「訴え自体が無効である」という主張は棄却され、オリーブ氏の訴えが審議されることとなりました。この前進に喜んでいたオリーブ氏でしたが、2019年6月11日にテキサス州第1地区控訴裁判所は、個人の知的財産は不動産などと同様に扱うことはできないとして、オリーブ氏の訴えを棄却。オリーブ氏は補償を受けるどころか、ヒューストン大学機構の裁判費用も負担することを命じられてしまいました。

オリーブ氏は「今回の結果は私にとって公正なものではないようです」とコメントし、今後どうすればいいか途方に暮れているとのこと。今回の判決はクリエイターコミュニティにとって大きな問題であり、テキサス州の公立大学だけでなく公立病院や政府機関がクリエイターの写真やコンテンツを無断使用しても、補償が受けられないことを意味するとオリーブ氏は指摘。

「今回の判決により、大学などの政府機関はクリエイターが著作権を持つコンテンツや知的財産を無責任に使用することができるでしょう」として、クリエイターに対する著作権侵害が強まる可能性があるとオリーブ氏は述べました。



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