今週から夏の北海道開催がスタート。その開幕を飾るのが、GIII函館スプリントS(6月16日/函館・芝1200m)だ。

 今年は、GI高松宮記念(4着。3月24日/中京・芝1200m)で1番人気に支持されたダノンスマッシュ(牡4歳)と、前走でGII京王杯スプリングC(5月11日/東京・芝1400m)を勝ったタワーオブロンドン(牡4歳)の「2強」といった様相を呈している。

 しかし、この2頭ですんなり決まるとは言い切れない。なにしろ、近年の函館スプリントSは、かなり荒れ模様にあるからだ。

 2013年以降、1、2番人気の勝利はなく、馬券に絡んだこと(3着以内)も、それぞれ1回ずつしかない。代わって、2014年には8番人気のガルボが、2016年には12番人気のソルヴェイグが金星を挙げ、3連単は2014年が87万2270円、2016年が39万7650円の高配当をつけた。

 さらに、2015年には4番人気のティーハーフが勝利し、2着に14番人気のアースソニック、3着に12番人気のレンイングランドが突っ込んで、3連単の配当は94万4140円という高額となった。

 こうした傾向から、今年も波乱ムードが漂っており、穴狙いに徹してみてはどうだろうか。そこで、過去10年の結果を参考にして、人気2頭を打ち負かす伏兵馬を探し出してみたい。

 まず狙ってみたいのは、この時期、軽量で挑める3歳馬。なかでも、重賞やオープン戦を勝った実績がありながら、上位人気が見込めない馬が狙い目だ。

 先述したソルヴェイグやレンイングランドがいい例。ソルヴェイグはGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)を、レンイングランドは2歳時にオープン特別のクリスマスローズS(中山・芝1200m)を勝っていたが、その後に惨敗を喫したり、成績が振るわなかったりしたことで、人気を落としていた。

 また、2014年に4番人気で3着となったクリスマスもそう。同馬も2歳時にGIII函館2歳S(函館・芝1200m)で勝利していながら、その後のクラシック戦線で敗戦を重ねていたため、上位人気を争うまでには至らなかった。

 今年、このパターンに当てはまるのは、アスターペガサス(牡3歳)だ。


函館スプリントSでの一発が期待されるアスターペガサス

 同馬は、出走メンバー唯一の3歳馬で、函館2歳Sの勝ち馬でもあるが、同レース以降は勝ち星に恵まれていない。そのうえ、初の古馬との対戦でもあり、「2強」に迫るほどの人気は得られないだろう。

 だが、こうした馬が激走するのが、函館スプリントSの特徴。しかも、前走の重賞・葵S(5月25日/京都・芝1200m)では2着と好走して、復調気配にある。52kgという軽量を生かして、「2強」の一角を崩しても不思議ではない。

 続いてピックアップしたいのは、勢いのある上がり馬だ。

 先述したティーハーフは、2勝クラス(旧1000万下)、3勝クラス(旧1600万下)と連勝。その勢いに乗って、そのまま3連勝で初の重賞制覇を決めた。

 2017年に4番人気で2着となったキングハートも同様だ。同馬は3走前に3勝クラスを勝ってオープン入り。その後、オープン特別でも2着、1着と結果を残して、函館スプリントSでも見事に連対を果たした。

 そして今年も1頭、注目すべき上がり馬がいる。ライトオンキュー(牡4歳)である。

 同馬は、今年に入って1勝クラス(旧500万下)、2勝クラスを連勝。3勝クラスでは一度5着と足踏みしたが、2度目のチャレンジとなる前走・船橋S(3月31日/中山・芝1200m)を快勝し、一気にオープンまで駆け上がってきた。

 まさしく伸び盛りの状態にあり、この相手でも大仕事をする可能性がある。過去の例からしても、一発が大いに期待できる1頭だ。

 最後にオススメしたいのは、函館巧者のベテランホースである。というのも、苦戦続きのベテランが得意の函館で大駆けするシーンが過去にも頻繁に見られたからだ。

 たとえば、2009年に8番人気で2着となったタニノマティーニ(当時9歳)。同年の舞台は札幌だったが、同馬は条件馬時代に函館で3連勝を飾っていて、札幌でも重賞勝ちがあるなど、北海道の洋芝を得意としていた。

 2012年に11番人気で3着となったビスカヤ(当時6歳)も、前年の函館開催において、条件クラスで2勝を挙げていた。また、2017年に7番人気で3着に入ったエポワス(当時9歳)も、函館で5戦1勝、2着3回と適性があった。唯一馬券圏内を外したのも、前年の函館スプリントSで、この時も10番人気ながら5着と善戦している。

 こうした例から、函館で実績があるベテランホースを無視することはできない。今年は、タマモブリリアン(牝6歳)、トウショウピスト(牡7歳)あたりがその候補となる。

 そのうち、ここでは大穴のトウショウピストを推奨したい。

 同馬は、2017年のオープン特別・オーロC(東京・芝1400m)を勝って以降、ふた桁着順も繰り返すなど、16連敗中の身にある。長きにわたって低迷しており、常識的に考えれば、掲示板入り(5着以内)さえ、かなり難しい状況だ。

 それでも、函館の実績には目を見張るものがある。2歳時のデビュー戦で勝利を飾り、続く函館2歳Sでも3着と好走。4歳時の夏にも函館で条件戦を3戦こなして、2勝、2着1回という好成績を残している。

 今回の函館参戦は、その4歳時に条件戦を連勝して以来。陣営としても、この得意舞台で浮上のきっかけをつかみたいと思っているはずだ。馬券に絡めば、高配当になることは必至。ヒモ穴として、頭の片隅に入れておいても悪くない。 翌週には、上半期最後のGI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)が控えている。その資金を増やしてくれる馬が、ここに挙げた穴馬の中にいるかもしれない。