アメリカを代表する食品加工会社「ゼネラル・ミルズ」のマスコットキャラクター、グリーンジャイアント。

1990年代前半には日本でも主に夕方の時間帯にテレビCMが流されていたので知っている人も少なくないかと思いますが、葉っぱでできた袈裟(けさ)を着て、これまた葉っぱで作られた(と思われる)ブーツをはいた、肌も緑、髪も緑で「ホゥホゥホゥ」が口癖の優しくてマッチョな大巨人です。

1950年代に「グリーン・ジャイアント社」(後の「ゼネラル・ミルズ」)が設立されると同時に誕生し、たちまち大人気となったキャラクターなのですが、すぐに“グリーンジャイアントの友だち”という設定の新たな仲間がマスコットに加わります。

その名もリトルスプラウト。

グリーンジャイアントが筋骨隆々の大巨人であるのに対し、リトルスプラウトはふくらんだホッペタとつぶらな瞳、そして二頭身のシルエットがかわいい幼児体型の男の子なのですが......さて、すでにグリーンジャイアントという企業名を冠したマスコットキャラクターが存在していながら、なぜ毛色の違うキャラクターが追加されることになったのでしょうか?

そこには、こんな逸話が存在します──。

緑の巨人・グリーンジャイアントは森のなかに一人で住んでいる設定なのですが、それを知ったアメリカ全土の子どもたちから「グリーン・ジャイアント社」に膨大な数の嘆願書が寄せられます。

「一人ぼっちなんて、かわいそう! 友だちを作ってあげて!」

加工食品の製造・販売を生業にしている企業にとって、子どものいる家庭からの要望や依頼を無視することなどできません。

そこで、大巨人の友だちとして誕生したのがリトルスプラウト......なのですが、グリーンジャイアントの孤独な身の上を憐れむ子どもたちの声と共に、「グリーン・ジャイアント社」には子をもつ親たちからこんな苦情も殺到していたのです。

「緑の巨人のCMが流れるたびに、うちの子が怖がる! もっとかわいいキャラクターにしてくれ!」──。

かくして、リトルスプラウトは、無垢な子どもの優しさと子を想う親の願いの相みつをとり、かわいらしい男の子の姿に描かれたのだとか。

昔も今も、企業は“炎上”がなによりも怖いようですね(笑)

※上記、諸説あり。

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